保険診療と自費診療の幅広い選択肢から患者さんのニーズに合った治療を提案したい
そして2023年9月に、埼玉県上尾市の上尾駅前でクリニックを開業されましたが、開業を決断された先生の想いを伺えますか?
私は茨城県出身ですが、2008年から埼玉県に移り住み、いまやここが私にとって第二の故郷となっています。この地域で形成外科医として勤務する中で、「埼玉県北西部において形成外科や皮膚科の手術の環境が整っていない」という問題を強く感じていました。
例えば、皮膚のできものを切除するような局所麻酔で行える手術でも、クリニックで紹介状をもらい、大学病院や総合病院を受診し、別の日に予約を取って手術を受けることが一般的であり、患者さんにとって時間や労力の負担が大きいのが現状です。
そのような問題を解決するため、形成外科医として培った技術や経験を活かし、形成外科や皮膚科の手術を簡単に受けられるクリニックを作りたいと考えるようになりました。
大学病院で医局長や外来医長、病棟医長を務め、指導やマネジメント業務にやりがいを感じていましたが、もともと「人の助けとなることを実感できる医療の仕事に就きたい」という想いで医師になったこともあり、より現場に近い環境に身を置きたいと考え、開業することを決断しました。
いしかわ形成皮ふクリニックのコンセプトを教えてください。
当院のコンセプトは、「保険診療と自費診療の幅広い選択肢から患者さんのニーズに合った治療を提案できるクリニック」です。
長年勤務していた大学病院では保険診療がメインであり、まぶたの手術やレーザー治療の専門外来を担当していて、「自費診療でもよいので治療してほしい」というニーズに十分に応えられないジレンマを感じていました。そこで、自費診療の美容医療も学ぶため、研究日や休日を利用し、複数の美容クリニックに勤め、美容医療についての研鑽を積みました。
そこで得た美容医療の経験と、大学病院で培った経験の両方を活かし、保険診療と自費診療の両方に対応し、一人ひとりの患者さんのお悩みに合った治療を提案できるクリニックを目指しています。
美容医療については、「やり過ぎない自然な美しさを心がけ、年齢とともに上手に魅力を重ねるウェルエイジング」をコンセプトとしています。明らかに不自然になる施術を希望される場合にはお断りすることもありますが、それも美容医療を行う上では大切なことだと考えています。
実際に診察することが多い疾患や症状はどのような内容ですか?
保険診療で対応する疾患として、形成外科では、ホクロなどのできものや、粉瘤などのしこりを切除する手術が最も多いです。その他に、眼瞼下垂や逆さまつ毛などのまぶたの手術や、巻き爪・陥入爪の手術などが多いですね。皮膚科では、ニキビやアトピー性皮膚炎、じんましん、帯状疱疹、ヘルペスなどが多いです。
自費診療で対応する症状としては、イボやシミのレーザー治療が最も多く、二重やたるみ取りなどのまぶたの手術、シワやたるみ、ニキビ跡、キズあとの治療も多いですね。
保険診療と自費診療の両方を扱われるメリットについて教えてください。
例えば、ニキビの治療では、まずは塗り薬や飲み薬による保険診療を行います。そのうえで、保険診療では効果が出にくい方や、「ニキビ跡の陥凹や赤みもきれい治したい」といった保険適応では対応できないお悩みがある方には、自費診療を提案します。
このように皮膚の治療には、保険診療で対応できる症状とできない症状がありますが、これらを1つのクリニックで完結できることが当院の強みです。