ペインクリニックを中心に、整形外科から内科疾患まで幅広く診療。在宅医療を受けるがん患者の緩和ケアにも尽力
現在、どのような患者さんが来院されていますか?

当院は、ペインクリニック内科、麻酔科、整形外科、内科を掲げて幅広く診療しています。患者さんは若い世代から高齢者までいらっしゃいますが、がんの治療を受けていて、痛みやしびれといった症状で受診される方が多いですね。
整形外科では、肩こり、関節痛、椎間板ヘルニアなどからくる痛みを訴えて来られる方、内科では糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病で来院される方が多い印象です。地域のかかりつけ医として、予防接種や健康相談なども含めてさまざまな疾患に対応し、より専門的な検査や治療が必要と判断した場合は提携先の高度医療機関を紹介しています。
ペインクリニックで診療されている痛みとは、具体的にどのようなものがあるのか教えてください。
体の痛みにはいくつかの種類があり、大きく分けて急性痛、慢性痛、がん性疼痛があります。
急性痛(急性疼痛)は、けがや病気などによって突然起こる痛みで、熱傷(やけど)や骨折、帯状疱疹、ぎっくり腰(急性腰椎症)などがあります。ほとんどが一過性の痛みですので、痛みの原因を取り除けば症状が緩和し、徐々に痛みもなくなります。慢性痛(慢性疼痛)は痛みが長く続いている状態で、頭痛、肩こり、腰痛、膝痛などをイメージしていただくとわかりやすいと思います。慢性痛は痛み自体が病気で、放置していると日常生活にも支障が出るため、早めに治療することが大切です。
そして、がん性疼痛は、がんによって引き起こされる痛みの総称で、がんの進行度に関わらず早期のがんでも痛みが出る場合もあります。がん患者さんの約3割、進行段階のがん患者さんでは約7割の方が何らかの痛みを抱えているとされており、心身の消耗や日常生活への影響を抑える目的で、痛みを和らげる治療を行います。
ペインクリニックの診療はどのような流れで進めるのでしょうか?

まずは、患者さんからどこがどのように痛むのか、詳しく症状をお聞きして診察し、体の状態を確認します。患者さんが他の医療機関で治療を受けている場合は、治療の内容や処方されている薬についてもお伺いしたうえで、痛みやしびれなどの症状を和らげる治療を行います。
当院では、内服薬による薬物療法を中心に、神経やその周辺に局所麻酔薬を注射して痛みを取り除く神経ブロック療法などを組み合わせて治療を進めています。食事療法や生活習慣の改善なども合わせて指導し、効果がみられない場合は薬の種類を変更したりリハビリをご提案しながら痛みの解消を目指します。また、がん患者さんに対する緩和ケアについては、体の状態をみながら臨機応変に対応するように努めています。
がん患者さんは在宅医療で対応されているのでしょうか?
そうですね。当院は約4分の1が末期がんの患者さんですので、往診や訪問診療でご自宅まで伺って診療しています。訪問回数は、週1回や月1~2回など患者さんによって変わりますが、ソーシャルワーカーやケアマネジャーなど多職種と連携をとりながら定期的に訪問し、治療や体調管理を行います。往診は、容態が悪化したときや急変時に駆けつけ、お看取りも含めて対応しています。
在宅医療では血液検査や超音波(エコー)検査、酸素療法、経管栄養法といった治療のほか、末期がんの患者さんには痛みをやわらげる緩和ケアを行っています。患者さんが何に困っているのか、どういった生活状況かをお聞きしながら、ご家族も交えてご相談し生活全体をサポートさせていただくという心構えで診療にあたっています。