消化器症状を中心に、内科、外科、肛門科まで幅広く診療。得意の胃・大腸内視鏡検査では、早期がんの発見を目指し微細な病変を見逃さない苦痛の少ない検査に注力
現在、どのような患者さんが多く来院されていますか?
私の専門である消化器領域では胸やけ、胃痛や腹痛、下痢が続く、お腹が張るといった症状を訴えて来院される方が多く、20代の若い方から90代を超えるご高齢の方まで、男女問わず幅広い年齢層の患者さんを診ています。また、当院は豊島区の胃がん・大腸がん検診の精密検査実施医療機関に指定されていることもあり、胃カメラや大腸カメラを目的に受診される方も多くいらっしゃいます。
内科では風邪やインフルエンザなどをはじめ、高血圧・糖尿病・高脂血症といった生活習慣病、花粉症などにも幅広く対応しております。そのほか、「お尻が痛い」「出血した」「お尻にできもの」といった肛門科のご相談や、切り傷、巻き爪、粉瘤などの小外科的処置を希望される患者さんなど地域の“かかりつけ医”として多様なニーズに対応しています。
得意とされている胃・大腸内視鏡検査では、特殊光を用いた検査で、早期がんの発見に努めていらっしゃるそうですね。

はい。当院では胃カメラ・大腸カメラともに、BLI(Blue Light Imaging)とLCI(Linked Color Imaging)といった特殊光観察モードを搭載した内視鏡機器を使用しています。これにより、通常光では見逃されがちな粘膜表面の微細な変化や色調の違いも明瞭に映し出すことができ、特に早期がんの発見に大きな力を発揮しています。また、ポリープを見つけた場合はその場で切除を行っております。
内視鏡検査に対して不安や抵抗を感じる方も少なくないため、当院ではご希望に応じて鎮静剤を使用し、眠っている間に検査を終えられる体制を整えています。実際に、「夢を見ていました」とか、「もう終わったんですか?」と驚かれる患者さんも多く、安心して検査を受けていただけていると感じています。
貴院では、内視鏡検査中の動画を見せてもらえると伺いました。
はい。当院では初めて内視鏡検査を受けられた方には、検査中の動画をご覧いただきながら病変の有無や状態について丁寧に説明しています。食道や胃、大腸の内側が実はとても繊細でやわらかな粘膜で覆われていることを、まずはご自身の目で見て知っていただきたいと思っています。
辛いものの過剰摂取やアルコール度数の高いお酒、喫煙などで、この粘膜が繰り返し刺激を受けると炎症を起こしたり、やがてはがんの原因となることもあります。だからこそ、検査は単なる診断のためだけでなく生活習慣を見直すきっかけにもなってほしい──そんな思いを込めて、日々の診療にあたっています。
内科や肛門科、外科では、どのような診療が受けられるのでしょうか。
内科では、消化器疾患をはじめ生活習慣病や風邪など幅広い疾患に対応しています。なかでも糖尿病や高血圧といった慢性疾患は継続的な管理が重要です。たとえば、糖尿病で内服治療による血糖コントロールが難しくなった場合にはインスリン治療が必要になることもあります。その際タイミングを逃さず専門医にご紹介し、より高度な医療を受けていただけるよう努めています。高血圧でも慢性腎臓病などの合併症を防ぐ観点から、早期に専門的な医療へつなぐことを大切にしています。
肛門科では、いぼ痔(内痔核・外痔核)、切れ痔、痔ろうなど、よく見られる痔疾患の診療を行っています。外科処置が必要な場合もありますが、当院では肛門周囲膿瘍に対する切開・排膿など日帰り可能な処置には対応しています。そのほか対応していない手術や入院を要するケースでは信頼できる専門病院をご紹介し確実な治療につなげています。
また、外科では切り傷の縫合や巻き爪の処置、粉瘤の摘出術といった局所麻酔下で対応可能な小外科処置を行っています。気軽にご相談いただける「街の外科医」としての役割を果たしていきたいと考えています。
専門医や病院との連携も、しっかりと取られているのですね。

はい。定期的に通院中の方で、「動悸がする」「胸が痛い」「肩が痛い」「歩きにくい」といった訴えをされる患者さんも少なくありません。そうした症状の中には私の専門外となる疾患が潜んでいることもありますが、だからといって門前払いのような対応は決してせず、まずは可能な範囲で原因の手がかりを探るようにしています。
たとえば、心臓に関わる可能性があれば心電図を、整形外科的な問題が疑われる場合はレントゲンを撮影し、その結果をもとに連携している専門医と速やかに情報を共有します。必要に応じてその場で専門的なアドバイスを受けることもありより確実な判断につなげています。
そして、より詳しい検査や専門的な治療が必要と判断された場合は責任をもって信頼できる医療機関へ紹介状を作成し、スムーズに次の診療へつながるようサポートしています。患者さんが安心して医療を受けられるよう連携の“橋渡し役”としての役割も大切にしています。