父の背中を追い、「患者さんの見る喜びを支えたい」と、眼科医の道を歩む
医師を志したきっかけと眼科を専攻した理由を教えてください。
医師を目指したのは、眼科の開業医をしていた父の存在が大きいです。幼い頃から、地域医療に取り組む父の姿を見て育ち、自然に「私も人を助ける仕事に就きたい」という想いが強くなり、医学部への進学を決意しました。
眼科を専攻したのは、「いずれ父の医院を継ぎたい」という気持ちもありましたが、人のクオリティー・オブ・ライフに大きく関わる、「目の健康」に貢献したいと考えたからです。「『ものを見る力』を回復・向上させることで多くの方に喜んでいただきたい」と思い、眼科医の道を選びました。
医院を継承するまでのご経歴をお聞かせください。
大阪市立大学卒業後、大阪大学医学部附属病院の眼科に入局し、研修を行いました。大阪大学病院には眼科の各分野の専門医師が在籍しており、広く眼科全般の疾患や特殊な症例について学びました。この時期に得た知識や基礎的な技術、患者さんとの向き合い方は、私の医師としての礎になっています。研修期間修了後は、大阪労災病院や市立豊中病院で角膜や網膜疾患の臨床経験を積み、その後、大阪厚生年金病院(現・大阪病院)で6年間、白内障・緑内障をはじめ、糖尿病網膜症や結膜弛緩症などさまざまな疾患の治療に携わり、技術を磨いてまいりました。
多くの臨床を経験した後、米国オークランド大学に留学して、白内障の病理について研究し、知見をより深めました。帰国後は大阪南医療センターで部長職として、主に若手医師の指導と眼科全般の治療を担当。2008年に岡本眼科に副院長として加わり、2015年、院長職を継承するに至ります。
院内はとても明るい雰囲気ですね。
そうですね。初めて来院された方でも、少しでも緊張感が和らぐように、待合室も壁やソファはイエローをメインにした暖色系で統一し、緊張しがちな手術室も無機質な印象にならないように木目調の壁を採用しています。また、ご高齢の患者さんが多いため、院内はすべてバリアフリーで、通路の幅も広く取り、車いすの患者さんも移動しやすいつくりになっています。