更新日: 2023-08-25

基本情報

名称:
医療法人由仁会 岡本眼科
診療科目:
眼科
住所:
〒 577-0034
大阪府東大阪市御厨南2丁目2-24

電話番号06-6788-3808電話
する

いつまでも健やかに生活できるよう、加齢に伴う眼疾患の治療に尽力

貴院にはどのような患者さんが来院されますか?

近視をお持ちのお子さんから、80代のご高齢の方まで、幅広い年齢層の方が来院されます。中でも大勢を占めるのが60~80代の患者さんで、主訴としては、目の水晶体が濁って見えづらくなる白内障や、日本の失明原因第一位である緑内障、白目の部分が緩んで異物感等を引き起こす結膜弛緩症など、加齢に伴う疾患が多いですね。

また、生活習慣病による糖尿病網膜症などで相談に来られる方もいらっしゃいます。これは糖尿病の合併症の一つで、網膜が損傷し、進行すると失明に至るおそれのある病気ですが、近年は内科的な治療が進み、重症の患者さんは減少傾向にあります。

国内の失明原因一位である緑内障について詳しく教えてください。

岡本 仁史先生の写真

緑内障は視野の中に見えない部分が生じたり、視野自体が狭くなったりする疾患で、治療しなければ失明に至ります。日本では60歳以上の方の実に5%以上が罹患している病気です。初期段階では自覚症状がほとんどないため、気づかない間に進行してしまい、患者さんご自身が見えづらさなど異変を感じたときには、かなり病状が進んでいる状態です。早期発見が非常に重要であるため、当院では別の症状で来院されたご年配の患者さんに、積極的に緑内障の眼底検査をおすすめしていますが、多いときは週に3名も緑内障が発覚することがあります。

緑内障の治療は眼圧を下げるための点眼薬が基本となります。現在ではさまざまな種類の薬があり、緑内障の病型、病期、副作用などを考慮して、患者さん一人ひとりに合わせて1~数種類の点眼薬を処方します。点眼薬で十分な効果が得られない場合や、さらに眼圧を下げる必要がある場合には、レーザー治療や手術を検討します。

当院では、眼圧を下げるためのレーザー治療として、痛みや合併症がほとんどないレーザー線維柱帯形成術(SLT)を導入していますが、近年、このSLTを早期に行うことが治療効果としても経済的にも有効であるという報告がでてきています。実際、治療効果は高く、今まで数種類の点眼薬が必要だった方が1種類だけで眼圧の進行を抑えることができるようになった方もいらっしゃいますし、中には、2~3年は点眼せずに眼圧をコントロールできる方もいらっしゃいます。また、効果が落ちてきた場合にも、繰り返し治療できる点もメリットですね。

必要だと分かっていても毎日忘れずに点眼をすることは決して簡単なことではありませんし、薬剤のアレルギーや不整脈・ドライアイなど副作用が理由で治療を中断してしまう方も少なくありません。
緑内障を進行させないためにも、患者さんの状況やライフスタイルなども把握した上で、患者さんに合った適切な治療法をご提案させていただきます。

貴院が注力されている治療について教えていただけますか。

岡本 仁史先生の写真

当院では加齢に伴って生じる疾患の治療に、特に力を注いでいます。中でも、緑内障と同様、ご高齢の方にとても多い「白内障」治療は得意分野です。白内障の治療は、初期段階では病気の進行を遅らせるための点眼薬を投与し、効果がみられない場合や、症状がかなり進んでいる場合は日帰りの手術を行います。手術は目の中の濁った水晶体に替えて、人工の「眼内レンズ」を挿入するものですが、当院では基本的に保険適用の眼内レンズをおすすめしており、現在、年間210~250人の方が当院で手術を受けられています。

ほかにも加齢が原因で起こる疾患には「結膜弛緩症」があります。これは白目の部分(結膜)が過剰に緩むことで、異物感を覚えたり、頻繁に流涙したりといった症状を伴うものです。治療は点眼薬の投薬から始まり、回復がみられない場合は手術(結膜嚢形成術)が必要です。

くわえて糖尿病網膜症の治療にも注力しています。進行するとレーザー治療が必要ですが、レーザーを当てる範囲や強度、照射のタイミングによっては、副作用が生じることがあるため、蛍光眼底造影などの特殊検査を実施し、詳細に病状を調べた上で、慎重に施術しています。

導入している設備や医療機器はどのようなものがありますか。

岡本眼科の院内の写真
光干渉眼底三次元画像解析・血管撮影装置

2014年に手術棟を開設し、白内障や結膜弛緩症の手術が可能になりました。いずれも日帰りで受けられ、結膜弛緩症の施術は10分程度で終了します。

検査機器では「光干渉眼底三次元画像解析・血管撮影装置(OCTA)」を導入。これは目の奥の網膜や、その中心にある黄斑部など眼底の状態を調べる機器で、糖尿病網膜症をはじめとする網膜の病気や、緑内障の検査に使用します。特に緑内障は判別が難しく、検査でも見落とされることが多い疾患です。だからこそ、性能の高い機器を採用し、「私が必ず見つける」という意気込みで検査に臨んでいます。OCTAのメリットは、短時間で詳細な検査が可能で、機器が直接目に触れることなく、また造影剤も不要なため、患者さんに大きな負担をかけずに病変の早期発見が期待できることです。ほかにも視野検査装置を2台設置し、できるだけお待たせせずに検査を受けていただけるよう努めています。