四代続く医師家系。桐生、相生町の人々の健康を、親子二人三脚で支える
まずは、院長先生からご経歴などをお聞かせください。
【晴一郎院長】私の家は祖父の代から続く医師家系で、私は三代目にあたります。祖父は大正3年(1914年)に医院を開いたそうです。その医院を継承していた父が、1977年にこの桐生市に移転して再び開業したのが現在の医院の始まりです。
私自身は川崎医科大学の出身で、実は同大学の一期生です。卒業年度は1976年で、その翌年に父がこの相生町に医院を移しました。私は大学卒業後、循環器を扱う群馬大学医学部の第二内科に入局しました。研修医時代には当時の第二内科と神経内科が近かった縁で、ギラン・バレー症候群などの診療にも関わりましたが、基本的には先天性心疾患の心臓弁膜症、心筋症、狭心症、心筋梗塞、不整脈などの心疾患をはじめ胸部・腹部大動脈瘤などの循環器領域を専門として、臨床医療に携わってきました。
大学病院では研究もされたと伺いました。
【晴一郎院長】はい。研究では循環器の医療における非観血的分野、すなわち血管や血液の状態を外から検査する手法などについて、深く学んでいました。私の研究論文が米国の医学雑誌に掲載されたこともあります。高血圧症や動脈硬化をはじめとする血管や血液の不調は、初期の段階では自覚症状に乏しいことが大半です。しかし「発見が遅れると命にも危険が及ぶ重大な症状を引き起こす」という恐ろしさは、広く知られている通りです。私が研究していたのは、そうした疾患の早期発見に役立つ検査技術が中心でした。
血管の固さを測って動脈硬化のリスクを調べる検査としては、代表的なものに頸動脈エコー検査やCAVI検査※があります。これらがまさに私の得意分野で、大学病院時代を含め、これまでに数多くの患者さんに検査を実施し、幅広い症例の診療に役立ててきました。長年にわたって知識と経験を積み重ねた検査技術には自信を持っており、当院の特長ともなっています。
※CAVI検査:大動脈を含む心臓から足首までの動脈硬化度を調べる検査
では、副院長のご経歴もお聞かせください。
【晃一郎副院長】私は幼いころから、祖父や父が地域の医療に尽くす姿を見て育ちましたので、ごく自然に医師の道を志していました。東京医科大を卒業した後、足立区にある西新井病院で研修医を2年間、関連病院などの勤務を経て、群馬大学の第一内科に入局しました。
糖尿病の専門医を目指した理由としては、指導医の先生から勧められた影響もあったのですが、私自身「糖尿病をはじめとする生活習慣病は、日本でも患者さんの数が増え続けている疾患であり、やがては日本社会の課題となる」と感じていたことが大きいですね。2015年には再び出身大学に戻って、現在は東京医科大学茨城医療センターに勤務し、代謝内分泌内科の助教として、糖尿病などの生活習慣病治療の臨床、研究を続けています。
現在、副院長の晃一郎先生が、院長先生を手伝う形で医院を運営されていますね。
【晴一郎院長】そうですね。2018年に息子が副院長に就きました。医師二人体制で近隣の皆様の「かかりつけ医」としての役割を果たしながら、それぞれの専門を活かした診療も提供できるのが、当院の強みとなっています。
【晃一郎副院長】現在は週1回、私が診察を担当しています。糖尿病専門医の知見を活かし、父が日々取り組む「地域に根ざした医療」を補完的にサポートすることが目的です。私は、この医院で祖父が、そして父が、地域の皆様の笑顔とともにある姿を見て育ちました。今こうして自分もその道を歩み始めたことに誇りと喜びを感じています。