尊敬する父の背中を追いかけ、兄弟二人三脚で地域医療の担い手に。総合診療を軸に、入院、手術、リハビリ、介護医療院を展開する地域密着型病院を運営
はじめに、相亮先生、相翔先生が医師を志したきっかけをお聞かせください。
【相亮医師】私が6歳のときに父が当院を開業しました。地域医療に貢献する父の姿を子どもの頃からずっと見ていましたので、「尊敬する父のような医師になりたい」と自然と想うようになっていましたね。小学生のときから愛読していた、医療マンガの「ブラックジャック」にも感化されて、外科医を目指すことも決めていました。
【相翔医師】私も兄と同様に、父から受けた影響が大きいですね。父は心臓外科医として朝から晩まで休む暇もなく働いていたものですから、年齢が上がるにつれて、命を救うという医師の仕事の尊さを実感することが多くなり、父のような医師になることを決めました。
相亮先生が整形外科を選んだ理由と、貴院に入職されるまでのご経歴をお聞かせください。

【相亮医師】整形外科医を目指したのは、本格的に高齢化社会が進む中で、今後、整形外科医が果たす役割はますます大きくなる、と考えたからです。また、痛みが改善する、歩けなくなった人が歩けるようになるなど、治療結果が如実に現れやすいことにも魅力を感じましたし、子どもの頃に憧れた外科医の夢も叶えられるだろうと思ったことも理由です。
加齢による骨折や関節症は、ADL(日常生活動作)を低下させ、歩けなくなると寝たきりや認知症の発症につながります。一人でも多くの人の健康寿命を延ばすために貢献したいと、整形外科に進むことを決めました。
2000年に神戸大学医学部を卒業後、同大学整形外科に入局し、重篤な患者さんに対応する三次救急の現場で重症骨折などさまざまな外傷の診療経験を積んだほか、骨折した後になかなか骨折が治らない「偽関節・難治骨折」の治療にも専門的に携わり、さらに、iPS細胞を用いた骨再生医療などの基礎研究にも長年取り組んできました。2017年4月に昭和大学病院整形外科に入局し、講師として、主に整形外科外傷を中心として診療にあたり、2022年4月から当院の副院長として診療に従事しています。
相翔先生は糖尿病を専門にされていますね。

【相翔医師】私は、糖尿病・代謝・内分泌内科で臨床研修を受けた際に、腎不全や網膜症、足の壊死といった重大な合併症や、脳梗塞、心筋梗塞を引き起こし、「もっと早く治療すればよかった」と後悔する重症の糖尿病患者さんに数多く出会いました。しかし、重症の糖尿病も薬剤の組み合わせや生活習慣の指導によって血糖コントロールがうまく行けば、重大な合併症や、関連疾患の発症や進行を予防することができます。非常にやりがいがある上に、医局には尊敬できる先輩医師もいらしたので、糖尿病を専門にすることを決めました。
昭和大学医学部を卒業後、同大学の糖尿病・代謝・内分泌内科に入局し、大学病院や関連病院で重症の糖尿病患者さんの治療を中心に、高血圧や脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病の診療に携わっていました。さらに、糖尿病専門医の他に、総合内科専門医の資格も取得し、臓器や科目にかかわらず全身の疾患の診断と治療の道筋をつけることにも取り組んできました。当院には、2020年10月に入職しています。
ご兄弟二人が副院長として入職され、貴院の診療体制はどのように拡充されたのでしょうか?
当院で対応可能な手術として、具体的に、消化器外科では、胆石症・鼠径ヘルニア(脱腸)、胃癌・大腸癌、急性虫垂炎(盲腸)・十二指腸潰瘍穿孔・腸閉塞などの疾患に対する腹腔鏡下手術、上部消化管(胃)内視鏡検査や大腸内視鏡検査(ポリープの日帰り手術など)、整形外科では骨折手術や、膝・股関節の人工関節置換術、スポーツ外傷に対する膝関節鏡手術、手外科疾患に対する手術などを主に実施しています。
2023年より、膝関節外科(膝・スポーツ外来)、股関節外科(股関節外来)を専門とする医師が2名赴任し、人工関節の手術が非常に増えています。地域のニーズにお応えするため、2024年8月より、人工関節センターを開設します。
また、昭和大学整形外科から手外科・肘関節外科を専門とする教授が週1回(水曜)外来診療と手術を行っており(手外科外来)、都心の大学病院と同レベルの診断・治療を受けることができます。
