一般健診から特定健診、がん検診、人間ドックまで、あらゆる検査に対応。外来診療では、肝胆膵疾患の専門診療にも力を注ぐ
貴院の特長でもある健康診断や検診について、具体的にはどのような検査が受けられるのでしょうか?

当院では、働く世代を対象とした「協会けんぽの一般健康診断(生活習慣病予防健診)」や、40〜74歳の方を対象とした「特定健康診査」をはじめ、さまざまな定期健診や人間ドック、各種がん検診などを実施しています。
一般健診では、血液検査・尿検査・心電図・胸部X線など、基本的な健康状態を把握するための検査を実施します。さらにご希望に応じて、腹部超音波検査や眼底検査、腫瘍マーカーを含む詳細な血液検査などの付加検査(有料)を組み合わせることも可能です。
万が一、健診結果で異常が見つかった場合には、当院で二次検査を行い、必要に応じて適切なフォローアップを行います。さらに、専門的な治療が必要と判断された場合には、患者さんのご希望をうかがいながら、信頼できる近隣の総合病院や専門医療機関へご紹介しています。
全身のさまざまな検査が受けられると伺いました。

オプション検査や人間ドックも含めると、非常に幅広い検査内容を網羅しています。具体的にオプション検査としては、胃内視鏡検査(胃カメラ)をはじめ、頭部・胸部・腹部のCT検査、腹部・心臓・頸部・甲状腺などの超音波検査、肝炎ウイルス検査、アレルギー検査、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査、骨密度測定、腫瘍マーカーの測定など、さまざまな項目に対応しています。
これらを組み合わせることで、ご自身の健康状態をより多角的に把握することができ、病気の早期発見や生活習慣病のリスク評価にもつながります。ご希望やご不安に応じて検査内容を柔軟に選択できますので、健診をきっかけに健康管理に役立てていただければと思います。
性別に応じた検診メニューも充実しているそうですね。
はい。当院では、性別に応じた疾患の早期発見にも力を入れており、女性向け・男性向けの検診メニューをそれぞれご用意しています。
女性向けには、乳がん検診として乳腺超音波検査やマンモグラフィーをはじめ、子宮頸がん検査、子宮・卵巣の超音波検査などを実施しています。とくに女性の方は、検査時に同性の医師や技師を希望されることが多いため、当院の乳腺検査は、女性の技師が対応しています。
また男性向けには、前立腺や泌尿器系の超音波検査、前立腺がんの早期発見に有用なPSA(前立腺特異抗原)検査を行っています。年齢とともに増加するリスクに備え、こちらも定期的なチェックが重要です。
健診施設としての機能だけでなく、地域のホームドクターとして内科の外来診療も行っていらっしゃいますね。

風邪や花粉症といった一般的な症状はもちろん、私が専門とする消化器内科をはじめ、循環器疾患や糖尿病などに対しても、それぞれの分野を専門とする医師が診療にあたっています。
季節によっては、風邪やインフルエンザなどの感染症で受診される方が増える傾向にありますが、通年を通しては、高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病を抱える患者さんが、定期的なフォローアップのために多く来院されています。
また、健診を通じて早期に疾患リスクを把握するだけでなく、その後の診療や治療も一貫して行える体制を整えております。
今後、特に力を入れていきたいと考えている診療について教えてください。
私の専門である肝臓・胆のう・膵臓といった肝胆膵領域の疾患には、特に力を入れて取り組んでいきたいと考えています。
肝臓がんは、ウイルス性肝炎に対する治療の進歩により、発症数自体は減少傾向にありますが、先ほどお話しした脂肪肝(NAFLD)や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)については、依然として課題が多く残されています。脂肪肝の背景には、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病が深く関わっており、こうした疾患の早期発見・継続的な治療こそが、地域医療を担う“ホームドクター”の重要な役割だと感じています。
また、胆のうがんや膵臓がんは、現在も増加傾向にある上、いずれも初期には自覚症状が少なく、早期発見が難しいがんです。だからこそ、当院が力を入れている健康診断や各種がん検診を通じて、少しでも早い段階での発見・早期治療に努めてまいります。