更新日: 2023-04-03

基本情報

名称:
啓愛クリニック
診療科目:
耳鼻いんこう科, アレルギー科
住所:
〒 732-0811
広島県広島市南区段原1-3-11 啓愛プラザ2F

電話番号082-262-8077電話
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めまいを専門に、難聴や耳鳴りにも積極的な治療を展開

来院される患者さんはどのような方が多いのですか?

柿先生の写真

0歳の赤ちゃんから90代の高齢の方まで幅広い患者さんが来院されています。耳鼻咽喉科全般に対応していますので主訴もさまざまですが、大学病院時代の三半規管の研究から引き続いて特にめまいを専門分野としているので、めまいでお悩みの方や、他院で治療したけれど症状の改善がみられないと来られる方も多いですね。

ご高齢の方ですと、難聴や耳鳴りの症状で多くお見えになります。主な原因は加齢だったとしても、メニエール病や中耳炎などの疾患が隠れていることもあり、適切な診断と治療でぐっとよくなる方もいらっしゃいます。

他にも、長引いたり繰り返したりする中耳炎のレーザー切開、花粉症への舌下免疫療法や、アレルギー反応を起こす鼻粘膜を焼灼して反応を抑える下鼻甲介レーザー焼灼、アルゴンプラズマ凝固療法など、耳鼻咽喉科ならではの専門的な治療にも取り組んでいます。

難聴は認知症にも関連すると報じられていますね。

2020年に国際アルツハイマー病会議から難聴が認知症の筆頭原因であると発表され、大きく報道されて以来、加齢による難聴を「歳だから仕方ない」と諦めるのではなく、改善したいと考える方が増えてきていますね。国の予算的にも、難聴の予防に力を入れて取り組むことによって、結果的に認知症対策のコストが下がると試算されていて、補聴器や人工内耳の活用の推進には追い風が吹いています。

補聴器は眼鏡屋さんや家電量販店、通信販売などでも購入できますが、購入前の聴力検査、購入後のフィッティングを十分にできておらず、「購入したのに聞こえない」「耳に合わない」と訴える患者さんが少なくありません。適切な補聴器を選ぶためには、しっかりと検査を行ったうえで、ライフスタイルや聴力に応じた調整を何度も繰り返し、患者さん自身の耳に合った補聴器に合わせていく必要があります。

当クリニックでは、患者さん一人ひとりの聴機能や予算に合わせて適切なものをおすすめしています。さらに、補聴器がきちんと聞こえているのか、耳に合っているのかなど購入後の確認や調整などのアフターケアまで徹底して取り組んでおります。

耳鳴りの症状にはどのような対処をされるのでしょうか?

柿先生の写真

耳鳴りは、「キーン」や「ゴーン」といった音がずっと持続して聴こえることもあれば、消えたかと思うとまたぶり返すなど、患者さんによって自覚症状はそれぞれ異なりますが、やっかいなのは聴力が落ちるとともにその症状が進む場合です。セミの鳴き声くらいの耳鳴りが、しまいには滝のような轟音になることもあり、こうなると日常生活を送ることが困難になります。

耳鳴りの原因も、メニエール病や突発性難聴などさまざまですが、基本的には、音を感受する蝸牛(かぎゅう)という部位の不調のため、内耳への血流を改善する薬や、炎症をとる薬を組み合わせて、経過を観察します。

それでも改善がみられないときには、「TRT療法」という耳鳴りへの順応療法をご提案しています。これは、サウンドジェネレーターという補聴器に似た機器を使い、耳鳴りと同じような静かな雑音を長時間流すことで、脳の視床という部位にある音の関所が、この音は脳に送らなくてもいいと判断するようになり、耳鳴りをストレスに感じなくなる治療法です。

疲労やストレスで起きる一時的な耳鳴りで、すぐに症状が治まるようであれば様子を見てもよいですが、症状が長く続く時や一旦治まってもまたぶり返すような時にはぜひご相談ください。特に、片側だけの耳鳴りの場合や、めまい、難聴、歩行困難、しゃべりにくい、というような症状を伴う時は、至急治療が必要な場合もありますので、できるだけ早く、詳しい検査を受けましょう。