「お安い御用です」を合言葉に、患者さんの声に耳を傾け、気持ちに寄り添った質の高い医療の提供をめざす
今までの医師人生のなかで印象に残っているエピソードはありますか?
勤務医時代に、深夜に重症の患者さんが救急車で来院されました。私が在籍していた病院ではその患者さんへの対応が困難であったため他院に電話をして治療をお願いしたところ、担当の先生が休日の深夜にもかかわらず「お安い御用ですよ」と快く引き受けてくださったのです。
その先生からしたら何気ない一言だったかもしれませんが、申し訳ない気持ちでいっぱいだった私にとっては何よりも嬉しく心に残った言葉でした。この経験を踏まえて、当クリニックでは「お安い御用ですよ」を合言葉に、スタッフ一同、患者さんの気持ちに寄り添い、思いやりの心で接するように心がけています。
お忙しい日々のなか診療以外の時間はどのようにお過ごしですか?
勤務医時代の上司の影響でランニングを始めたところ、走る楽しさに目覚め、今ではフルマラソンや100kmのウルトラマラソンを完走するまでになっています。初めて100kmマラソンに挑戦したときは、あまりの過酷さに「もう二度と走らない」と思ったのですが、時間がたつにつれ「もう1回出ようかな」という気持ちが湧いてきて2022年に2度目の参加を果たしました。100kmという長い距離を走るわけですから、リタイアの文字が何度も頭をよぎるほど、つらく苦しい時間が度々訪れます。しかし、それを乗り越えてゴールしたときの達成感は、何物にも代えがたいものがありました。
さらに舗装された道路を走るだけでは飽き足らず、山や森の中を走るトレイルマラソンも始め、今ではその世界にもどっぷりはまっています。やはりその道中はとてもつらいのですが、山頂についたときはすがすがしい気持ちになりますし、そして何よりも走り終わってから入る温泉は至福のひとときです(笑)。
最後に読者へのメッセージをお聞かせください。
患者さんは、さまざまな不安を抱えて来院されます。地域のかかりつけ医として、その不安な気持ちやお悩みを取り除くことも私たちの大事な役割だと考えています。当クリニックでは、患者さん一人ひとりとしっかり向き合い、信頼していただける適切な医療を提供することにくわえ、待合室や廊下ですれ違う際にも「こんにちは。今日はどうされましたか?」「もう少しで呼ばれますからね」「今日は雨で来るのが大変だったでしょう」と、こまめにお声がけすることで、患者さんの不安を和らげ、より良い信頼関係が築けるよう努めています。
祖父や父が長年にわたって築いてきた地域医療を受け継ぎ、高血圧や糖尿病といった生活習慣病や消化器疾患など幅広い症状を丁寧に診ていくことはもちろん、そこに培ってきた消化器内視鏡という専門性を生かした診療をプラスすることで、患者さんが「ここに来て良かった」と温かい気持ちになれるクリニックをめざしています。
生活習慣病や胃腸の不調、肛門のトラブルなど日常生活で困っていることがありましたら、お気軽にご相談ください。生まれ育った地域に少しでも恩返しできるよう、スタッフ一丸となって患者さんをサポートさせていただきたいと思います。