患者さんとご家族がよりよく生きられることを目指し、チームによる全人的医療を実践
日々の診療でどのようなことを心がけていますか?
病気だけを診るのではなく、患者さん自身を診て、必要であれば、ご家族との関係など社会的背景まで含めて診療する「全人的医療の実践」をモットーとしています。
実際、最近多いケースとして、単身のご高齢者で、血糖値が少し悪くて受診されたけれど、医療チームから「家の中がかなり散らかっているらしい」という情報が寄せられて、くわしく診察したら、認知症が進んでいたということがあります。血糖値がいくら良くても、血圧が高くて脳梗塞や心筋梗塞になってしまったら元も子もありませんし、骨が弱っているのを見逃して骨折させてしまうようなことがあったら医師をやっている意味がないと思っているんです。患者さんご自身を全体的に診て、ご家族も含めて全て改善して、よりよく生きられるように、医療チームの協力も得ながらこれからも全力で支援していきたいと考えています。
全身をトータルで診療されていく中で、検査体制も充実されているのでしょうか?
先ほどお話しした糖尿病のくわしい検査に加えて、レントゲン撮影や頸動脈エコー、心電図、骨密度測定、血管年齢測定、睡眠時無呼吸検査など、一般的な検査については、当院で受けられるよう体制を整えています。心臓の詳しい検査や胃・大腸の内視鏡検査、MRI、CT検査といった当院で対応できない検査については、診療所間の連携で他院の専門の先生をご紹介しています。
お忙しい日々だと思いますが、休日はどのように過ごされていますか?
音楽が趣味で、ヴァイオリンやギターを弾いています。実は、自身で作曲して音楽アルバムを出したこともありますし、糖尿病予防のために考えた体操「いすいーっす体操(https://www.youtube.com/watch?v=YnIAbS-0dPk)」の作詞作曲も手掛けているんです。以前は、バンドを組んでライブもやっていたのですが、新型コロナ禍で、ここ何年かできていないのが残念ですね。そろそろやろうかなぁ、と思っています。
ただ、最近は、先ほどお話ししたFMラジオのパーソナリティーが楽しいですね。勉強会とか学会とか、仕事に追われることも多いんですが、子どもがいるので、一緒に遊んでいるときも楽しいかな。先日も一緒に海に行ってリフレッシュしてきました。
さいごに、今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。
この町を復興・発展させるために、医療のことや町全体のことを気にかけてくれる仲間を一人でも多く増やしたいですね。先日、講演会の後に懇親会を開いたら、意外と大勢の人が参加してくれたんです。このまま医療連携の輪も広がっていけばいいなと期待しています。
地域の皆さんには、とにかく健診を受けて、ご自分の状態を確認してほしいです。万が一、数値が悪くても怖がらずに一緒に治療していきましょう。体の不調は、なかなか人には話しづらいかもしれないけれど、そこをなんとか踏み越えて相談してください。検査や治療方針など一緒に考えながら進めていくので、安心して相談してもらえたら嬉しいですね。