0歳から100歳まで、日常的な眼科疾患を幅広く診療。若い世代にも増えている緑内障の早期発見・早期治療に注力
現在、どのような患者さんが多く来院されていますか?
患者さんは0歳から100歳まで、実に幅広い年齢の方が来院されています。当院は近鉄四日市駅から近く、オフィス街と古くからの商店街、住宅が混在している場所にあるため、近隣で働かれている方をはじめ、高齢者やこの地域にお住まいのご家族などもいらっしゃいます。
主訴も近視や乱視、アレルギー性結膜炎、白内障、眼瞼痙攣(けいれん)などさまざまです。最近はスマホの影響で、全年齢を通じてドライアイの患者さんが増えている印象です。
貴院で力を入れている診療があれば教えてください。

年々患者数が増加している緑内障は、注力している疾患のひとつです。緑内障は中高年や高齢者の病気と思われがちですが、最近は若い方も少なくありません。20代、30代で緑内障が見つかる患者さんが増えているので、しっかりと検査して早期に発見し、治療につなげるよう努めています。
緑内障は、初期段階では自覚症状がないため、気づかないうちに病気が進行します。実際に当院でも、コンタクトレンズの処方や別の症状で来院され、詳しく検査すると緑内障が見つかるケースがほとんどです。緑内障の治療が遅れると重症化し失明する場合もありますので、当院を受診された患者さんで少しでも疑わしい場合は、できるだけ検査を受けるようにしていただいています。
緑内障の診察や治療は、どのように進められるのでしょうか?
緑内障は、目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経が眼圧(眼球内の圧力)によって障害されることが原因で、見える範囲が狭くなったり視力が低下する病気です。診察では、視力検査をはじめ、視野検査、眼圧検査、隅角検査、目の奥の状態を調べる眼底検査などを行って診断します。
緑内障では眼圧の数値が重要とされていますが、「正常眼圧緑内障」といって眼圧は正常値でも緑内障を起こしている病態もあるので注意が必要です。健康診断などで「眼圧は正常です」と言われていたとしても、緑内障が進んでいる可能性があることは多くの方に知っていただきたいと思っています。
緑内障と診断された場合は、まずは点眼薬で眼圧を下げる治療を行います。目の状態をみながら、患者さんに合う点眼薬を探します。効果が薄い場合は2~3種類を組み合わせることで、眼圧を下げて視神経の障害を食い止め、視力や視野の悪化を防ぎます。点眼薬を続けても眼圧が下がらず病状が進行するときは、手術治療となるため速やかに近隣の専門病院をご紹介します。私の経験では、手術が必要になる患者さんはわずかですが、専門病院と連携をとりながら、手術後のフォローも対応しますので安心してご相談ください。
貴院は土日祝日も診療されていますが、週末に受診される方も多いのでしょうか?
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そうですね。平日は仕事で忙しい方や、急な症状でお困りの患者さんが多く受診されています。土日は17:30まで、祝日は12:30まで診療していますが、部活動中にケガをして応急的に受診されるお子さんや日曜日しか来られないという方もいて、お役に立てていると感じています。この診療体制がとれるのもスタッフの理解と支えがあってこそと感謝していますが、今後も頑張って続けていきたいと思っています。