子どもの健康だけでなく、育児に悩むお母さんの不安解消にも努める
現在は、どのような患者さんが来院されていますか?
小児科疾患全般を診ていますので、この地域のお子さんが中心ですね。発熱や腹痛をはじめ、インフルエンザや麻疹などの感染症、アレルギー疾患などさまざまな症状で来院されます。乳幼児健診や予防接種の方は予約なしでも受けられる体制を整えていますが、乳児の場合は長時間お待ちいただかなくてもいいように予約枠も設けています。
内科では、父の代から通ってくださる患者さんや、小さいお子さんを連れてきていた保護者の方からも次第に「血圧が高くなった」「健康診断で指摘を受けた」といったご相談を受けることも増えています。お子さんの診療のついでに親御さんも一緒に診て、専門的な診療が必要な場合は適切な医療機関をご紹介しながら、地域のかかりつけ医としての役割を果たしています。20年近く診療していると、子どもだった患者さんが大人になって赤ちゃんを連れてくることもあり感慨深いですね。
診療だけでなく、育児相談にも注力されているそうですね。
はい。診察でお母さんたちと接する中で、子育ての不安を抱えている方がとても多いと感じています。コロナ禍で人と接することが減り、育児が孤立化したのかもしれません。最近は何でもインターネットで調べられますが、不安が解消されるどころかますます不安になる方も多く、できるだけ話を聞くようにしています。
特に、初めての育児で子どもの発育や離乳食のことなどもわからないお母さんの相談には、ていねいに説明して心配なく過ごしていただけるように努めています。小さなことでも構いませんので気軽にご相談ください。
子育てイベントを主催されているのも、その一環でしょうか。
そうですね。診察室の中では言いにくいことも、場所を変えると相談しやすいのではないかと思い、2022年に「ONE&ONLY」という会を立ち上げました。ONE&ONLY=かけがえのない、という意味で、「お子さんだけでなく育児に奮闘するお母さん、お父さんもみんなかけがえない存在」という思いを込めて名付けました。
毎月、練馬区立向山庭園で開催しており、演奏会やベビーリトミック、ピラティスといった楽しいイベントのほか、薬剤師や保育園の先生による講演会なども織り交ぜて、さまざまな方と交流できる場をつくっています。子育てで悩みがある方はもちろん、普段なかなか地域の方と話す機会がない親御さんやお子さんも参加していただけると嬉しいですね。
子育ての先輩や仲間と過ごすなかで不安を解消し「これでいいのだ、だいじょうぶ!」と毎日の育児を楽しんでもらえるようなお手伝いをしたいと考えています。