医師を志した原点は「祖父母に寄り添い健康を支える父の姿」。先輩医師の情熱に感銘を受けて循環器内科へ
はじめに、五十嵐先生が医師を志したきっかけをお聞かせください。
私は祖父母が大好きで、子どもの頃から祖父母の家によく遊びに行っていました。そこでは、医師である父が雑談しながら祖父母の血圧を測ったり、問診や視診をしたりして、祖父母の健康を気遣っていたんです。その雰囲気がとてもあたたかくて、私も父のように、祖父母が健康で長生きできるよう寄り添い、支えていけたらと思っていました。
加えて、母方の祖父も医師で、ビシッとした白衣姿の祖父が患者さんとお話しする姿は私の憧れでもありました。そういう環境で育ちましたので、小さい頃から医師の道へ進むことに迷いはなく、東京女子医科大学医学部に進学しました。
循環器内科を専攻されたのはどのような理由からですか?
興味をひかれる分野はいろいろあったのですが、祖父母と父の姿に感じていた「患者さんの生活に寄り添い、健康で長生きできるよう支えたい」という思いを実現するためには、内科医になるのがいいのではないかと考えました。
その中で循環器内科を選んだのは、強いパッションをもって昼夜を問わず医療に取り組む先生方の姿に感銘を受けたからです。実際、循環器内科では治療を受けて劇的に改善する患者さんも多く、最初は息をするのもつらそうだった患者さんが、回復されてご自分で歩いて帰られるようになる姿などを見て、医師としてのやりがい、醍醐味を感じました。
大学卒業後、2017年にKDDIビルクリニックに入られるまでの経緯をお聞かせください。
卒業後は母校の大学病院の循環器内科に入局しました。派遣された関連病院では、狭心症や心筋梗塞といった心疾患に対するカテーテル治療をはじめ、集中治療室で治療を受ける重症の患者さん、慢性期病棟で長期にわたり治療を受ける患者さんなど、一般内科の領域から循環器内科の領域まで幅広く臨床経験を積んできました。
派遣先は地域の基幹病院でしたので、ご高齢の患者さんも多く、介護も含めた退院後の生活にまで関わるような密接な診療を経験できたことは、「寄り添う医療」を目指す私の土台になっています。そしてこの時期に企業の産業医も経験し、働く方の健康維持がいかに重要で、老後の人生を左右するものなのか、ということも実感しました。
その後は大学病院に戻り忙しく働いていたのですが、出産を経て、「医療への貢献」と「子どもとの時間」の両方を大切にしたいと考えるようになりました。そんなときに当クリニックとのご縁があり、オフィス街で働く方々の健康を支える役割と、地域にお住まいの方々の健康を支える役割の両面から多くの方々に貢献できたらと考え、転職を決めました。
クリニックにはどのような患者さんが来院されていますか?
KDDIビル内を含めて近隣にお勤めの方、働き盛りの30代から50代の方のご来院が多いです。会社の健康診断で数値に異常があったということでおみえになって、検査したら疾患が発見されたという方も珍しくありません。また、「生活習慣病外来」を設けており、糖尿病や高血圧、脂質異常症(高脂血症)、高尿酸血症など生活習慣病の症状でいらっしゃる患者さんも多いですね。
もちろん地域にお住まいの方も、若い方からご高齢の方まで幅広く来院されており、かかりつけ医として、風邪や腹痛、花粉症をはじめとしたアレルギーなど、さまざまな症状や疾患に対応しています。