「お尻の守護神」をキャッチフレーズに、苦痛の少ない検査と、女性も受診しやすい体制を整える
肛門の病気について、こちらではどんな診療が受けられるのでしょうか?
【健院長】「お尻の守護神」というキャッチフレーズには、「当院に来ていただければ、お尻のトラブルは何とかなりますよ」という思いを込めています。お尻を診察されるのは恥ずかしいという患者さんが大半ですから、患者さんの気持ちになって苦痛の少ない診療や検査を心がけ、女性医師の診療日も設けて、受診のハードルを下げる工夫をしています。
診察は、まず、新型の電子肛門鏡で状態を確認します。便に血が混じるなど出血が見られる場合は、痔なのか、そうでないのかの診断を確定させるために、大腸内視鏡検査や胃内視鏡検査を受けていただくようにしています。
肛門や大腸の検査では、どのような工夫をされているのですか?
【健院長】肛門の検査では、新型の直腸・肛門用カメラシステムを導入して、検査中の画像をモニターに映し出し、患者さん自身にもリアルタイムで患部の状態をご覧いただけるようにしています。
大腸内視鏡検査は、近年、鎮静薬を使って患者さんが眠っている間に検査を済ませるのが一般的になっています。しかし当院では、患者さん自身にもご自分の大腸内部の状態を把握していただくことは治療や進行予防に有用だと考え、鎮静薬を使わず、覚醒したままでの検査をお勧めしています。
検査の苦痛をできる限り軽減するために、「無送気軸保持短縮法」や「二酸化炭素送気装置」を用いており、7〜8割の方が鎮静薬を使用せずに検査を受けておられます。
もちろん、鎮静薬のご希望があれば最初から鎮静薬を使うこともできますし、検査途中でも痛みを感じたら鎮静薬を増量するなど、鎮静薬の使用は患者さんのご要望に応じていますので、安心して検査を受けていただければと思います。
また、万が一、大腸がんを確認した場合、初期の大腸ポリープなら、検査時に内視鏡下で切除します。早期に発見できれば、たとえがんでも当院で治療が完結できます。すでに進行してしまっている場合は、ただちに大学病院などの高度医療機関をご紹介させていただきます。
痔と診断されると、どんな治療が受けられますか?
【健院長】痔には、いぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)、痔ろう(あな痔)と大きく3種類あり、肛門周囲膿瘍といって肛門の周りが腫れて痛む病気もあります。
いぼ痔、切れ痔の場合は、症状がそれほどひどくなければ、基本的に、鎮痛薬、抗炎症薬の内服による薬物療法や保湿剤の使用、運動、食事療法で症状の改善をめざします。
肛門周囲膿瘍は、溜まっている膿を切開して排出する必要があるので、その処置は当院で行います。
また、痔ろうは、将来がんになるリスクがわずかながらあるので、手術を積極的に勧めていますが、その際も、週に1日の総合高津中央病院での私の診察日に合わせて、私自身か当院勤務の肛門専門の女医が手術を行っています。
肛門科に女性医師がいるのは、女性の患者さんにとってありがたいですね。
【友起子副院長】女性も、妊娠や出産をきっかけに痔になりやすく、便秘や冷えで痔を発症することも珍しくありません。もちろん、女性に限りませんが、市販の薬で症状が改善しない場合や再発を繰り返す場合は、専門家の治療が必要です。勇気を出して受診していただきたいですね。