発達の相談にも母親としての実体験からアドバイス。地域に信頼される小児科医院であるために、子どもと保護者に真摯に向き合う
日々の診療で心がけていることはありますか?
体調を崩したお子さんを連れて来られる保護者の方は、みなさん本当に心配されていると思います。ですので、「来てよかった」と少しでも安心して、笑顔で帰っていただけるような診療を心がけています。
また、私自身も4人の子どもを育ててきた母親ですから、ときには自身の子育て経験をお話しすることもあります。同じように育てているつもりでも、それぞれ全く違う個性があって、思い通りにならないこともたくさんあります。不登校で悩んだり、学校で問題を起こしたりして、高崎市の発達支援センターや小児精神科の先生に相談したこともありました。
一人で抱え込んでしまうと、どうにもならないこともありますよね。だからこそ、同じように悩んでいる保護者の方には、「相談したほうがいいよ」と、トンと背中を押してあげるようにしています。
坂元先生ご自身のご経験だけに、とても参考になりますね。
そう言っていただけると嬉しいです。ただ実際のところ、発達支援センターは予約が取りづらく、小児精神科の先生も本当に数が少ないのが現状です。私は、その分野の専門家ではないので、できることは “ちょっとした世間話” 程度かもしれませんが、専門的な支援につながるまでの間に、少しでも気持ちが軽くなるように、気兼ねなく話してもらえる場所でありたいと思っています。
こだわって導入された医療機器や院内の雰囲気を教えてください。
とても重宝しているのが、AI(人工知能)を搭載した咽頭画像検査機器です。インフルエンザの迅速検査にも使える機械で、検査時にお子さん自身が自分の喉の中をリアルタイムで見ることができるんです。「こんなふうになっているんだ!」と興味を持ってくれる子も多く、検査への抵抗感も少なくなるので、とても気に入っています(笑)。

院内は、できるだけ温かく、安心して過ごせる空間にしたいという思いで整えました。待合室の床には無垢の木を使用し、お子さんが素足でも気持ちよく過ごせるようにしています。壁は珪藻土で仕上げ、自然素材ならではのやさしさや落ち着きを感じてもらえるよう工夫しました。また、在籍している保育士が中心となって、ひな祭りやハロウィンなどの季節の行事に合わせた手づくりの飾りをたくさん用意してくれています。
さらに、注射を頑張ったお子さんには、お絵描きが得意なスタッフが手づくりしたキャラクターシール付きの絆創膏を選んでもらっています。キャラクターを描いたシール部分をコレクションしているお子さんがいたり、お留守番の兄弟が「今日はどんなシールを貼ってくるかな?」と楽しみに待っている、という話を聞くと、とても嬉しいですね。
お忙しい日々だと思いますが、休日はどのように過ごされていますか?
観劇が趣味で、なかでもミュージカルが大好きです。最近は新国立劇場で『ロミオとジュリエット』や、明治座で『1789 ―バスティーユの恋人たち―』、高崎芸術劇場に初来県の『レ・ミゼラブル』を観ました。
娘が宝塚歌劇の大ファンなので、一緒に舞台を観に行くことも多く、親子で同じ時間を共有できるのがとても楽しいですね。舞台の世界に触れることで、日常とはまた違った刺激をもらっています。
さいごに、読者へのメッセージをお願いいたします。

これからも、地域の皆さんにとって「ここにあってよかった」と思っていただけるような小児科であり続けたいと考えています。そのために、医療の進歩にしっかりと目を向けながら、日々学びを重ね、患者さん一人ひとりと丁寧に向き合っていく姿勢を大切にしていきたいと思います。
少子化が進み、お子さんの数が減っている今だからこそ、身近に頼れる小児科があることの価値は、むしろ以前よりも大きくなっているのではないでしょうか。私自身も、小児科医として、地域の子どもたちとご家族をこれからも支えていきたいと考えています。
「何歳まで小児科に通っていいですか?」と聞かれることも多いのですが、何歳でも大丈夫です。小学校高学年くらいになると、本人が小児科の受診を少し照れくさがることもあるようですが、当院ではオンライン診療にも対応していますので、通院が難しい場合はぜひご活用ください。ちょっとした体調不良でも、「小さい頃に診てもらった先生」のことをふと思い出して、気軽に相談に来てもらえたら嬉しいです。そして、いずれご自身にお子さんが生まれたときには、今度は親子2代で来てくださるような、そんなつながりが広がっていくことを楽しみにしています。
自由診療費用
※表示価格はすべて税込みです
- 銀イオン配合水いぼ専用保湿クリーム 1本2,200円
※価格は2025年7月17日現在のものです。変更となっている場合がありますので、必ず医療機関にご確認ください。