90床の透析ベッドを備え、患者の状態に合わせたきめ細やかな外来透析治療を実施。透析患者の命を守るための災害・緊急時対策、感染症対策などのリスク管理も徹底。亀田総合病院と連携し、腹膜透析も実施
現在、90床の透析ベッドがあると伺いました。どのような透析治療が受けられるのでしょうか?

当院では、一般的な血液透析に加え、血液ろ過透析、血液吸着、オンライン血液ろ過透析、さらに個々に適した透析液を処方する処方透析にも対応しています。そして腹膜透析も含め、常に高い水準の医療を提供しています。
診療体制は、常勤の透析医2名を中心に、看護師・臨床工学技士・管理栄養士・看護助手・事務スタッフが連携する透析チームで患者さんを支えています。90床の透析ベッドは4グループに分け、各グループが約50名の患者さんを担当。検査結果のデータベース化や情報共有を通じて、安全で効率的なチーム医療を実現しています。透析装置もメーカーと保守契約を結び、常に安心して治療を受けられる環境を整えています。
台風や地震などの自然災害や緊急事態への備えにも力を入れているそうですね。

はい。透析治療が途切れることは命に直結するため、当院では災害対策に特に力を入れています。大型発電機や大型受水槽を整備し、医療材料も備蓄しています。また、大型給水車や給油車の受け入れ体制も整えており、自然災害時でも透析を継続できる体制を確保しています。こうした備えが、通院される患者さんの安心につながると考えています。
有事に備えた訓練は、どのように実施しているのでしょうか?
有事といっても想定は幅広いため、当院ではさまざまな場面を想定した訓練を行っています。たとえば透析中に地震が発生し、避難のため治療を中断しなければならない場合に備えて『透析離脱訓練』を定期的に実施しています。透析の離脱、患者さんの避難誘導、情報共有の方法や持ち出し物品の準備まで、スタッフ全員で取り組んでいます。
院内感染など感染症対策にも力を入れていると伺いました。

当院では毎月1回、感染症認定看護師が来院し、透析室の感染対策についてアドバイスや支援を行っています。外来診療でも、発熱外来の運営や新型コロナ対応などに専門的な視点で協力を受けています。感染症対策は、患者さんの安心はもちろん、スタッフの不安軽減にもつながっています。
モットーは、「患者さんのために」。さまざまな側面から患者本位の施策を実施し、心に寄り添う温かな診療を実践しています。