母に憧れ医師の道へ。大学病院で培った代謝・内分泌内科の専門性の高い診療を地域医療に活かす
先生が医師を目指されたきっかけをお聞かせください。
両親ともに開業医で、特に母は自宅で開業していたので、患者さんを診療する母の姿を間近で見ながら育ちました。患者さんのために夜遅くまで働く母に対し、幼い頃は早く帰ってきてほしい気持ちもあったのですが、忙しい中でもしっかり患者さんに寄り添い話を聞いている姿や慕われている様子を見て、尊敬する気持ちも大きく、自然と医師を志すようになりました。
糖尿病を専門とした理由を教えていただけますか?
糖尿病は進行性で寛解はしても完治は難しい疾患です。一生付き合っていくことになることが多く、そのときそのときの患者さんの生活スタイルや仕事、家庭状況は合わせた対応が必要です。対話を通して医師として患者さんの人生に密接に関わらせていただき、少しでも前向きに治療に取り組めるようサポートさせていただくことに大きなやりがいを感じたことが糖尿病を専門に決めた理由のひとつです。
母は循環器、父は呼吸器を専門とする医師で、その分野にも興味はあったのですが、循環器疾患や呼吸器疾患はどうしても病棟対応がメインになります。女性としてのライフステージの変化も考慮した時に、糖尿病診療は外来でずっと働き続けられるところにも魅力を感じました。
これまでのご経歴と、携わってこられた主な疾患や症例について教えてください。
順天堂大学医学部を卒業後、順天堂大学附属順天堂医院の代謝・内分泌内科に入局し、糖尿病をはじめ甲状腺疾患の診療に携わり、研鑽を積んできました。順天堂大学大学院では糖尿病の研究で博士号を取得しています。特に糖尿病においては1型糖尿病の方や糖尿病性ケトアシドーシスという意識障害を起こした方、手術後に厳格な血糖コントロールが必要な方に対するインスリンシリンジポンプ治療など専門性の高い診療にも従事し、さまざまな臨床経験を積みました。
順天堂医院で勤務していた時期に3人の子どもを出産し、その後、都立駒込病院や地域密着型のクリニックなどに勤務した後、2024年12月に「糖尿病・甲状腺 藤巻内科クリニック」を開院するに至ります。
どのような想いから開業を決心されたのでしょうか?
糖尿病や甲状腺疾患は外来対応がメインの疾患です。長年、順天堂医院などで専門性の高い診療に携わってきた経験を活かし、日常的な診療で地域医療に貢献したいという思いが募っていた矢先、この場所に縁がありました。
実は、夫が義父と南行徳で耳鼻咽喉科を営んでいて、2023年に開院した行徳分院がこのTNKビルの2階に入っているんです。同じ建物の1階に空きが出たのも良いタイミングだと感じ、開業を決意しました。