糖尿病、甲状腺疾患の専門治療を中心に、「かかりつけ医」として一般内科まで幅広く診療
どのような患者さんが来院されていますか?
私の専門とする糖尿病や甲状腺疾患の患者さんが多く来院されています。
特に、近隣に甲状腺疾患を専門に診るクリニックが少ないこともあり、イライラする、倦怠感、首の腫れ、飲み込みにくいなどの症状があり、「甲状腺疾患が原因なんじゃないか」と疑いを持って受診される方は多いですね。私は大学病院でバセドウ病や橋本病といった甲状腺疾患を診てきた経験もありますので、超音波(エコー)などの検査で適切な診断をつけ、治療への道筋を示すことで患者さんの不安を解消できればと考えています。
また、総合内科専門医として生活習慣病や風邪、腹痛、アレルギーなど一般内科診療にも対応しています。専門的な診療だけでなく、誰でも気軽に受診できる「かかりつけ医」として、地域の方の健康を総合的にサポートすることを目指しています。
糖尿病について、貴院ではどのような診療が受けられるのでしょうか?
糖尿病の治療では合併症の発症や進行を予防するための血糖コントロールが基本となり、食事療法、運動療法、薬物療法の3つが柱となります。
2~3カ月ほど食事療法と運動療法を続けても血糖のコントロールが上手くできない場合や、急激に体重が減少しているなど早期に介入したほうがいいと判断した場合には、経口血糖降下薬を用いる内服療法や、インスリン注射で血糖コントロールを図る自己注射療法といった薬物療法を検討します。
インスリン療法の導入には入院が必要となる場合も多いのですが、当院では、外来でのインスリンの導入に対応しているのが特長です。「できれば入院はしたくない」といった希望や、患者さんの性格や生活スタイルなども考慮し、最善の治療が提供できるように努めています。
適切な診断を行うために整えられている設備や機器はありますか?
当院では、24時間血糖値の変化を測定できる「CGM」という持続血糖モニターを導入しています。また、糖尿病の診断と病状の把握に必要なHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の測定器や、動脈硬化の進行度を評価するCAVI、甲状腺の状態を確認できる超音波(エコー)などを駆使し、より迅速に正確な数値を出し、なるべく患者さんをお待たせしないで治療を始められるような検査体制を整えています。
甲状腺疾患に対する外科治療に携わってこられた夫の藤巻充寿先生も診療をサポートされるそうですね。
夫(充寿先生)は頭頸部外科を専門とし、現在も順天堂医院で頭頸部腫瘍や甲状腺疾患の外来を担当しており、同大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターでは頭頸部腫瘍の手術も手がけています。
当院では、甲状腺腫瘍に対する穿刺吸引細胞診を含めた検査を担当してもらうなど、サポート体制を組んでいます。手術を要する場合は順天堂大学附属病院などへの紹介も迅速に行うことが可能なので、患者さんにとっても安心材料となるのではないでしょうか。