CTや内視鏡検査など検査体制を充実させ、的確な診断に努める
どのような患者さんが多く来院されますか?
3歳くらいのお子さんから90代のご高齢の方まで、幅広い年代の患者さんが来院されています。症状としては、鼻水や鼻詰まり、のどの痛み、声がれ(嗄声)、耳の痛み、耳鳴りといった一般的な耳・鼻・のどの病気のほか、めまい、補聴器外来と、主訴もさまざまです。
特に、力を入れている診療はありますか?
疾患としては、「アレルギー性鼻炎」や「副鼻腔の病気」、「めまい」、「急性咽頭炎」、「補聴器の相談」は、患者さんの数も多く、症状が強いほど生活の質が下がってしまうので、特に力を入れて診療に取り組んでいます。
具体的な治療法として、花粉症などのアレルギー性鼻炎では、抗アレルギー薬などの服用や、薬剤を鼻から吸入するネブライザー治療などの薬物療法で症状が改善されない場合、鼻の粘膜にレーザーを照射してアレルギー反応を抑える「下鼻甲介粘膜レーザー焼灼術」や、根治が期待できる「舌下免疫療法」を提供しています。
次に、めまいに対してですが、原因がさまざまで特定が難しいことから、従来の方法より精細な情報が得られるといわれている「赤外線CCDカメラ」による眼振検査、耳用顕微鏡を導入して診断の精度を上げ、治療にあたっています。
また、めまいや、急性咽頭炎によるのどの痛みは、症状が強い場合、患者さんはかなりつらい思いをされます。そこで、できるだけ早い症状の改善を期待して、服薬よりも即効性が期待できる点滴による薬物療法も行っています。
高画質のCTも導入されているそうですね。
はい。鼻や耳、のどは、目視による診察がしづらいので、適切な診断と治療方針を立てる上で有用だと考え、耳鼻咽喉科用CT検査、「鼻咽腔・喉頭ファイバースコープ」による内視鏡検査を導入しています。
特に、CTについては、副鼻腔・鼻骨や鼻腔・中耳・蝸牛といった器官の状態を正確かつ詳細に把握することが可能で、導入にはかなりこだわりました。2022年5月には、日本耳鼻咽喉科学会で「CTの長所と短所の検討」を発表する予定にもなっています。
実際に、副鼻腔の病気が疑われる患者さんにこのCT検査を受けていただくと、ほとんどの病変が一目瞭然でわかります。また、鼻だけでなく、耳やのどの状態もはっきりわかりますので、中耳炎や扁桃炎などの診断精度も向上していますね。
耳の聴こえや補聴器の相談について、貴院の特長を教えてください。
耳の聴こえについては、難聴の程度や傷害が起きている場所を特定するのに役立つ「標準純音聴力検査」や、鼓膜の動きや中耳の状態を確認する「ティンパノメトリー」、「耳のCT検査」と複数の検査方法によって診断し、適切な治療法をご提案するようにしています。
また、補聴器の相談については、毎週金曜日の午後に補聴器メーカーに来てもらい、補聴器を実際に試していただいてから、良ければそれを購入していただくようにしています。