呼吸器疾患の専門診療のほか、生活習慣病などの診療にも注力。先進機器を揃え精度の高い検査に努める
現在、どのような患者さんが多く来院されていますか?

内科、呼吸器内科、アレルギー科を標榜していますが、一番多いのは喘息の患者さんです。開院以来、延べ8500人以上を診察しましたが、半数近くが喘息の患者さんでした。「他院で風邪と診断されたが、咳が止まらなくてつらい」と来院された方が喘息だったケースも多いですね。そのほか、睡眠時無呼吸症候群やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺気腫の患者さんや、内科では糖尿病や高血圧などの生活習慣病の方も来院されています。
年齢層も幅広いですが、働き世代が6割以上を占めています。親御さんの来院をきっかけにお子さんも一緒に通院され、かかりつけとして家族全員で来てくださる方も増えました。当院では、どのような症状の患者さんが来てもなるべくお断りせず、適切な初期診療を行うように努めています。
貴院で力を入れている疾患や診療はありますか?
やはり気管支喘息ですね。先ほどもお話しした通り、当院は喘息の患者さんが圧倒的に多く、これまで風邪症状と診断されて治療が行き届いていなかった方もいらっしゃいます。呼吸器学会では「喘息憎悪ゼロ」を目標に掲げていますが、山形県は喫煙率が高く、呼吸器疾患や喘息による死亡率も全国平均より高い状況にあります。呼吸器内科専門医として、ていねいな診察と検査に努め、患者さん一人ひとりに適切な治療を行いながら、喘息の正しい理解と管理の啓発にも力を入れていきたいと考えています。
診療の精度を高めるために、こだわって導入された医療機器もあるそうですね。

はい。一通りの検査機器を揃えていますが、なかでもCTは肺がんや肺炎の診断はもちろん、内臓脂肪の計測やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の肺組織損傷を数値化する機能を備えた新機種を導入しました。喫煙による肺のダメージも可視化されるため、禁煙指導にも役立てています。
また、呼吸器疾患で欠かせない肺機能検査では、全国的にも先駆けて「モストグラフ3」という最新機器を導入しました。大きく息を吸ったり吐いたりする必要がなく、普通に呼吸をした状態で気道の抵抗を調べられるため、ご高齢の方でも楽に検査を受けていただくことができます。喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)をはじめとした疾患をより正確に把握するため、大学病院並みの検査体制を整えていることが当院の強みです。
その他の診療内容についても教えてください。
内科では、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病の患者さんが多いため、血糖値やコレステロール、肝機能などを測定し、結果を見ながら薬を調整して治療を進めています。生活習慣病の患者さんは肥満の方も多いのですが、最近は新しい薬も出てきていますので、食事療法や運動療法と組み合わせて、一人ひとりに合った治療をご提案しています。
また、肥満は睡眠時無呼吸症候群の主な原因でもあり、無呼吸による低酸素状態が続くことで高血圧や動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞などのリスクも高くなります。当院を受診される睡眠時無呼吸症候群の患者さんも、やはり肥満傾向があり、複数の症状や疾患を抱えている方が少なくありません。呼吸器疾患の専門診療はもちろん、患者さんができるだけ複数の医療機関を受診しなくてもいいように、検査から治療までワンストップで対応できる医療の提供を目指しています。