患者の話に耳を傾け、寄り添う医療を実践。「日々鍛錬」を胸に、地域医療に長く貢献したい
院内の設備や動線についても工夫されていると伺いました。

開院した2022年はコロナ禍だったため、感染対策は特に意識しました。インフルエンザなどの感染症流行期にも患者さんが安心して来院いただけるように、発熱患者専用の診察室を別に設けたり、車椅子の方もスムーズに移動できるような動線設計にしています。院内のスペースも広くとってゆとりを持たせてあるので、患者さんにはゆったりとした気持ちで過ごしていただければと思います。
先生が日々の診療で心がけていることを教えてください。
診察は「一期一会」、一日たりとも同じ診療はありませんので、そのつど患者さんに全力で向き合うというのが私のモットーです。
そのためには、まずは患者さんのお話をよく聴き、どのような生活スタイルや考えを持っているのか伺います。決して頭ごなしに否定せず、患者さんのお気持ちを尊重し、対話しながら体の状態や生活習慣がよい方向に向かうようにサポートしています。
たとえば、医師としては吸入薬が最適と考えていても、「吸入薬を使うと声が枯れるので嫌だ」と仰る患者さんには別の薬を処方することもあります。こちらが一方的に治療を押し付けるのではなく、一人ひとりに合った“ちょうどいい治療”を一緒に探っていく姿勢を大切にしています。
お忙しい日々と思いますが、先生のご趣味やプライベートな時間の過ごし方も教えてください。
読書が趣味で、漫画から小説まで幅広く読んでいます。なかでも歴史小説が大好きで、置賜地方は米沢藩のお膝元でもあり、上杉謙信や直江兼続など武将に関連した小説をよく読みます。じつは、そのとき読んでいる作品に影響を受けやすいタイプでして、開業の話が持ち上がった頃は、宮本武蔵が三十三間堂で吉岡一族に勝利するエピソードを読んだばかりでした。困難に立ち向かう武蔵の姿に大いに背中を押され、「自分もやるしかない!」と奮起したことを覚えています(笑)。
凝り性なので、腕時計やワインなどにハマったこともありますが、何かと忙しくて最近は読書のほかですと、動画配信サービスで映画やドラマを観ることが多いですね。仕事とはまったく異なる世界に没頭する時間がよい気分転換になっています。
さいごに、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

宮本武蔵の書に「千日の稽古をもって鍛となし、万日の稽古をもって練となす」という「鍛錬」の語源となった言葉があります。医師の道は、まさに鍛錬の連続。これからも日々誠実な診療に努め、鍛錬を怠らず、生涯現役で地域に貢献したいと考えています。
当院は、呼吸器疾患だけでなく、地域のかかりつけ医として幅広い症状に対応し、必要に応じて患者さんを総合病院や専門医療機関へつなぐ「橋渡し役」も担っています。「どこの科にかかればいいか分からない」といった場合の初期診療や、病気や治療についてのセカンドオピニオンにも応じています。地域のみなさんが適切な医療を受けられるよう、スタッフ一同尽力してまいります。何かありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。