消化器内視鏡専門医として培った技術と経験を活かし、負担や苦痛の少ない内視鏡検査を提供
貴院では、胃・大腸の内視鏡検査に注力されています。まず、胃の内視鏡検査について教えてください。
当院では、胃の内視鏡検査(胃カメラ)として、経口内視鏡検査と経鼻内視鏡検査の両方に対応しており、患者さんの負担をできる限り軽減しながら、精度の高い検査に努めています。
経口内視鏡検査では、最大145倍まで拡大して観察できる高性能な内視鏡カメラを導入しており、微細な病変も鮮明に捉えることが可能です。経口の場合、挿入時に舌の根元に触れることで嘔吐反射(オエッとなる反応)が起こりやすいのが一般的ですが、当院では径の細い内視鏡を採用し、できるだけ負担を抑えた検査を行っています。
経鼻内視鏡検査は、小指の先よりも細い内視鏡を鼻から挿入するため、舌の根元を通らず、嘔吐反射が起こりにくいのが特徴です。従来、経鼻内視鏡は細径であるぶん、画質が劣るとされていましたが、当院では高画質の内視鏡機器を導入しており、鮮明な画像で検査が可能です。
大腸の内視鏡検査は、挿入技術によって痛みやつらさに差が出やすいと聞きます。貴院ではどのような点に配慮されていますか?

大腸内視鏡検査は、内視鏡を奥へ進める際に無理に押し込むと、腸壁が押されたり腸管が引っ張られたりすることがあり、医師の技術の差が患者さんの痛みやつらさにつながりやすいといわれています。当院では、消化器内視鏡専門医としての豊富な経験を通じて培ってきた技術を生かし、患者さんのご負担を極力軽くするような挿入方法を用いて検査を実施しています。
また、大腸の内視鏡検査では、すみずみまでよく確認するために空気で大腸をふくらませて検査を行うのですが、それによって患者さんがおなかの張りや苦しさを感じることがあります。そこで当院では、おなかの張りをすみやかに解消できるよう、空気に比べて吸収されやすい炭酸ガスを使用し、患者さんの苦痛の緩和に努めています。
大腸の内視鏡検査でポリープが見つかった場合、どのように対処されるのでしょうか?
大腸内視鏡検査の前に、ポリープが見つかった場合の対応について、患者さんのご意向を事前に確認しており、患者さんが切除を希望された場合は、その場で切除を行います。ポリープ切除後には、一定期間の食事や運動の制限など、注意すべき点がいくつかありますが、それらについても事前にしっかりと説明し、切除したその日のうちにお帰りいただけます。
ただし、ポリープの数が多い場合や、大きさ・形状によって、連携する医療機関での治療が適切と判断した場合には安全性を考慮し、速やかにご紹介し、確実な治療につなげています。
内視鏡検査では、患者さんのご希望に応じて鎮静剤を使用されると伺いました。鎮静剤を使う利点についてお聞かせいただけますか。
鎮静剤を用いることで、患者さんはウトウトしたような状態で検査を受けることができます。同時に、患者さんの体の力が抜けてリラックスしたような状態になりますので、検査をスムーズに行いやすくなり、検査の精度を高めやすくなるほか、検査にかかる時間も最小限に抑えることができます。
当院では、鎮静剤の使用を強くおすすめするということはありませんが、ご不安が強い方や、過去に受けた内視鏡検査でつらい思いをなさった方など、鎮静剤の使用を希望される方が多く、受診される方の半数ぐらいの方が実際に鎮静剤を使用しています。当院では、患者さんの不安なお気持ちやどのように検査を受けたいかという希望をよくお伺いした上で、患者さんに安心して検査に臨んでいただけるよう、一人ひとりに合った適切な検査方法をご提案いたします。どうぞお気軽にご相談ください。
大腸の内視鏡検査では、事前に腸管洗浄液(下剤)を飲む必要があります。これはどちらで飲むのでしょうか?
院内には専用トイレ付きの個室を2つご用意しており、そちらで飲んでいただくことも可能ですし、ご自宅で飲んできていただいてもかまいません。大腸の内視鏡検査に際して、下剤を服用し腸内をきれいにするのは患者さんにとってご負担が大きく、つらく感じる要因のひとつにもなっています。そのご負担をできるだけ和らげ、大腸の内視鏡検査が少しでも受けやすくなるよう対応いたしますので、患者さんのご希望や体調、ご自宅の環境などに応じて、ご相談いただければと思います。
