先ほどお話ししたように、当院は、“痛みと再生のクリニック”をコンセプトとしており、脳神経外科、整形外科、腫瘍内科、内科の幅広い疾患に対して保険診療を行いながら、治りにくい症状や難治性の疾患などに対しては、再生医療を含めた自費診療も行っています。
 
治療としては、「痛みの治療」、「再生医療」、「最新のがん治療」、「腰の日帰り手術」の4つを柱に、エイジングケアや肌の悩み、慢性疲労、男性更年期といった身近な症状についても、長年にわたって培った私の知見と技術、確かなエビデンス（根拠）に基づく専門性の高い医療を提供しているのが当院の特長です。

当院の名称に「総合医療」と付けたのは、患者さんが診療科をいくつも掛け持ちしなくても、一か所で全身を診られるクリニックでありたいと考えたからです。その目的どおり、さまざまな悩みを抱えた患者さんが来院されています。
 
現状ですと、仕事や家事に早く復帰したいからと「腰の日帰り手術」を受けに来られる方、関節のつらい痛みや、脳梗塞や脳出血の治療後に残存している後遺症を改善したいと「再生医療」を受けに来られる方、疲れや美肌のために「美容点滴」を受けに来られる方、さらに、私は男性更年期のホルモン治療も専門的に学びましたので、女性だけでなく男性更年期障害の方も多く受診されています。

例えば、腰痛の原因である脊柱菅狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアに対して、PLDD（椎間板ヘルニアのレーザー）やPED（経皮的内視鏡下椎間板摘出術）といった、レーザーや内視鏡による低侵襲の日帰り手術を行っています。腰の日帰り手術は、いずれも自費診療ですが、仕事や家事に忙しく入院が難しい方や、外科手術を受けたけれども再発した、外科手術に抵抗があるといった方に向いている治療法です。
 
さらに、当院の場合は、ダメージを受けている神経や組織の修復を助けるために、こうした内視鏡手術に、再生医療の「PRP（多血小板血漿）療法」を組み合わせています。医師の技量に関わるので、国内ではまだあまり行われていないのですが、圧迫を取り除いただけでは修復に時間がかかる神経や椎間板に対して再生医療を取り入れるのは、理にかなった治療法だと考えています。
 
このような腰の日帰り手術の他に、膝や肩、肘、くびといった関節の痛みや頭痛といった、日常のよくある痛みに対しても、保険診療による薬物療法やリハビリテーションなど、さまざまな治療法をご提供しています。

一つは、腰や肩、膝、首などの関節の痛みやテニス肘などの炎症といった整形外科分野の症状に対して、患者さん自身の血液から採取した血小板の濃度を高めた血漿を用いる「PRP（多血小板血漿）療法」や、患者さん自身の体脂肪から採取した幹細胞を培養して用いる「幹細胞治療（脂肪幹細胞治療）」などを行っています。
再生医療は、患者さんの体への負担が少なく傷んだ組織の修復が期待できる治療法として、近年、普及が進んでいます。中でも、幹細胞治療については、動脈硬化や慢性疼痛、認知機能障害、糖尿病など幅広い疾患に改善効果が期待できるといわれています。
 
さらに、もう一つ、脳卒中後の運動障害や認知障害といった後遺症に対して、幹細胞治療とともに、幹細胞上清培養液を点滴する「エクソーム療法」も効果が期待できる治療法として提供しており、患者さんからの問い合わせも増えていますね。特に、ご自宅やリハビリ施設でも治療できるように点鼻の幹細胞上清培養液もあり非常にニーズが高いです。また当院では、点滴だけでなく、全身に効率よく有効性が期待できる因子が行き渡るようEECPという医療機器を導入して実施しています。

がん診療については、早期発見のための検査をはじめ、標準治療では改善しなかった患者さんや、治療困難だと他院で言われた患者さんに対して、いずれも自費診療で、がん抑制遺伝子を点滴で投与し、がん細胞の増殖や死滅を目指す「がん遺伝子治療」、手術ができない腹膜播種や難治性のスキルス胃がんなどに対して、抗がん剤をお腹の中に直接注入する「腹腔内化学療法」などの治療法を提供しています。
また新たながんの治療法として注目されている「光免疫療法」も行っており、遺伝治療を併用を行っております。手術、化学療法、放射線療法、免疫療法に続く「第5の治療法」ともいわれています
当院は、がん治療を含めて、患者さんお一人おひとりに合ったオーダーメイドの治療をご提供することで、病状の改善に努めています。もちろん、あらゆる疾患に対して当院で対応できない場合は、近隣の大学病院や基幹病院をご紹介していますので、安心して受診していただきたいですね。