患者・家族・地域全体をケアする総合診療医・家庭医が"何でも診て、どんな相談も受ける" 外来診療と訪問診療のクリニックを運営
はじめに、田中院長と勝俣先生が医師を志したきっかけをお聞かせください。
【田中院長】父が消化器外科医で、私が子どもの頃に、それまで勤務していた急性期病院を辞めて地元で開業しました。地域の人たちをまるで家族のように、家庭の事情も含めて親身になって診療する父の姿を間近で見ているうちに、「父のような医師になりたい」という思いが募り、家庭医療の道に進みました。
【勝俣医師】たしかテレビ番組だったと思いますが、子どもの頃に、地域に根差しながら家庭医として懸命に働く医師が紹介され、その姿に非常に感銘を受けたんです。自分もこんなふうに地域の人たちのために働きたいと思い、家庭医を目指しました。
貴院に入職されるまでのご経歴を教えてください。
【田中院長】熊本大学医学部を卒業し、同大学病院と福岡徳洲会病院で初期研修を終えた後、熊本大学医学部附属病院で3年間、家庭医療専門医プログラムを受け、総合診療・家庭医療に必要な技量の習得に努めました。その期間中に、総合診療医・家庭医として同大学病院や熊本赤十字病院、地域の診療所などで、年齢性別を問わず、さまざまな疾患の幅広い診療に携わってきました。
東京へ来てからは、江東区にある東京城東病院の総合診療科に勤務した後、2021年に医療法人社団悠翔会に入職しました。訪問診療を中心に研鑽を積み、2023年6月に当院の開設とともに院長に就任しました。
【勝俣医師】私は、北海道大学医学部を卒業後、帯広病院の総合診療科で初期研修を受けた後、東京城東病院総合診療科に進みました。そこで田中先生のご指導のもと総合診療と家庭医療の研修を行いながら、さまざまな疾患の診療にあたりました。
その後は、北海道の診療所で2年間、家庭医として地域医療に携わりました。そのうち1年間は、いわゆる僻地での勤務で、年代、性別、疾患を問わず外来から入院まで何でも診ていましたし、残りの1年間はご高齢の方の訪問診療を中心に、お看取りまで含めた診療に携わり、幅広く研鑽を積んできました。
そして東京に戻り、練馬光が丘病院の小児科・救急科や聖母病院の総合診療科に勤務した後、田中先生とのご縁で当院に入職するに至ります。
田中院長、勝俣先生が専門とされている総合診療医・家庭医とは、どのような役割を担うのでしょうか?
【田中院長】総合診療医・家庭医というのは、簡単に言うと、「何でも診て、どんな相談も受ける」医師です。ですから、私たちも、生まれたばかりの赤ちゃんやそのお母さん、お父さん、ご高齢の方、学生さん、働き盛りのビジネスパーソンと、年齢や性別、病気の種類を問わず診療し、最終的には通院できなくなってしまった重病の方やご高齢の方の在宅診療やお看取りも行います。予防も含めてあらゆる健康問題と向き合っているのが、総合診療医・家庭医だととらえてください。
「専門外だから診療できない」と患者さんを断ることのない医療を目指しているわけですね。
【田中院長】そうです。当院は、ここ城東地区の総合診療医・家庭医として、地域にお住まいの一人ひとりのかかりつけ医であると同時に、ご家族全員、地域全体のかかりつけ医としてプライマリ・ケアを担っています。地域の医療ニーズに幅広く応えていくために、訪問診療を中心に全国展開している医療法人社団悠翔会の一拠点として、外来診療と訪問診療の両方の機能を持つ当院が開設され、総合診療専門医と家庭医療専門医の資格を持っている私が責任者として院長に就きました。