複数の疾患を横断的に診療し、総合的かつ継続的な外来診療と、24時間365日対応の訪問診療を実施。重症患者を必要な医療につなげる専門医療機関への橋渡し役も担う
現在、どのような患者さんが多く受診されていますか?
【田中院長】いくつか事例をあげると、外来診療では、「風邪症状のお子さんとその風邪がうつってしまったお母さんの同時受診」、「一見、風邪のような症状だけれども、よく話を聴くとストレスからメンタル不調を抱えている働き盛りの男性」、「いくつか持病を抱え、複数の医療機関にかかっているけれども通いきれない、薬も種類が多すぎて困っているから当院で一元的に診てほしいというご高齢の方」、「育児と介護を同時に抱えて、心身ともに悲鳴を上げている若いお母さん」などが来院されています。
内科、小児科、精神科、皮膚科、婦人科などさまざまな科目の疾患が混在しており、年齢層もお子さんからお年寄りまで幅広いですね。子育てのお悩みで来院される方もおられます。
訪問診療では、どのような患者さんが多いのでしょうか?
【田中院長】訪問診療は、現状ではご高齢の方が圧倒的に多いでしょうか。酸素療法や点滴、経管栄養などの一般的な医療処置に加えて、在宅輸血を受けている患者さんもおられます。
また、褥瘡(床ずれ)の壊死した部分を外科的に切除するデブリードマンという処置を受ける寝たきりの患者さんも少なくありません。最近は、小児在宅医療から成人対象の在宅医療に切り替えていく「移行期」の若い患者さんを訪問診療するケースも増え始めていますね。
貴院が特に得意とする診療を教えてください。
【田中院長】当院の強みとなる診療は、大きく分けて4つあります。1つ目は、“多疾患併存”と呼ばれる複数の病気を同時に抱えている患者さんに対して、ワンストップで診療できること。2つ目は、心の問題や介護状況などご家族の問題、経済的な問題などを抱えた“複雑困難”なケースにも対応できること。3つ目は、ご高齢者を中心に、次第に状態が悪くなっていく“下降期慢性疾患”の患者さんに対して、お看取りを含めた訪問診療を行っていること。そして、4つ目が、病気の予防や健康増進を支援する“予防医療”への取り組みです。
【勝俣医師】さらに付け加えると、当院で対応できることに全力を尽くしながらも、私たちだけで抱え込むようなことはせず、より専門的な検査や治療が必要な場合は、近隣の急性期病院や皮膚科、小児科などの専門の先生にご紹介し、連携しながら診療しています。私たちが初期診療として多くの患者さんの窓口となり、責任をもってそれぞれ必要な医療につなげていく橋渡し的な役割も担っていますので、安心して受診していただきたいですね。
訪問診療についても24時間365日対応と、手厚い体制をとられているそうですね。
【田中院長】当法人は、現在、首都圏近郊だけで24拠点展開しています。70名以上の医師が在籍していますので、当院だけでなく、グループ全体で連携することで、夜間も含めた24時間365日の訪問診療体制を整えています。しかもグループ内には、歯科や精神科、皮膚科などそれぞれの分野の専門医が在籍していますので、必要に応じて応援を依頼し、患者さんのニーズに合わせた在宅医療の実践に努めています。