心不全・心筋症診療に心血を注いできた循環器内科のエキスパートが、病を抱えた患者の人生に寄り添う伴走者になるべく開業
はじめに、高潮先生が医師を志したきっかけと、循環器内科を専門とされた理由をお聞かせください。
![高潮 征爾先生の写真](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fimages.microcms-assets.io%2Fassets%2Fdda4cf7a18e94690acc6ea9a2a3abdae%2Ff5eaca7d5ef04df483cd8ea199d69a8b%2F312395_01_p1.jpg&w=1920&q=75)
子どもの頃から生物や科学に興味があり、遺伝子関連の研究者を目指していた時期もあったのですが、高校生のときに方向性が変わりました。もっと直接的に人のためになり、社会貢献できる仕事に就きたいと考えるようになり、医師を志しました。
循環器内科を専攻したのは、心臓が人の生死に直結する重要な臓器だからです。心筋梗塞のように治療に緊急性を伴う病気もあり、医師の診断・治療のスキル次第で患者さんの命が左右されます。非常にシビアですが、そのぶん、診断と治療が成功したときの喜びは何ものにも代えがたく、やりがいと魅力を感じました。
貴院を開業するまでのご経歴を教えてください。
心不全は、心臓病の末期の病態といわれ、正しい診断と治療、適切な運動・生活管理ができるかどうかで、QOL(生活の質)や生命予後が左右されます。大学病院では入院が必要な重症度の高い患者さんも多い中で、最善の心不全診療を追求し、研鑽を積んできました。
一方、難病指定されている拡張型心筋症や肥大型心筋症などの心筋症については、心臓移植後や埋込型左室補助人工心臓を装着した患者さんを、熊本でも治療継続ができるように多職種連携の礎をつくるなど、全人的な見地から深く取り組んできました。また、途中、熊本大学大学院に進み、主に心不全の分野で診断や評価にかかわる研究に取り組み、学位を取得しています。
※1日本循環器学会循環器専門医
病棟医長、心不全診療チーフなどの要職も担ってきた先生が、開業を決めたのにはどのような理由があったのでしょうか?
心不全という病気は、発症すると治ることはなく、患者さんは生涯付き合っていかなくてはなりません。しかも、悪化と改善を繰り返しながら病状はだんだん悪くなっていきます。大学病院で後進の育成に取り組みつつ、高度で先進的な医療に携わる醍醐味はありましたが、患者さん一人ひとりの人生に寄り添い、伴走者として運動・生活習慣についてもサポートしていくには、急性期医療を担う大学病院では難しいのが実情です。私に「ずっと診てほしい」と言ってくださる患者さんも多くいらっしゃいましたので、開業することを決めました。
この場所を選ばれた理由もお聞かせください。
心臓の病気には、心筋梗塞や急性心不全のように高度医療機関での緊急処置や入院治療が必要な病態があります。緊急事態に備えるためにクリニックと基幹病院との連携はとても重要なのですが、その点、ここはすぐ近くに私が勤務していた熊本大学病院や済生会熊本病院があり、同僚や同門の先生方も多くおられますので、緊密な連携体制が整っています。また、熊本市内ですので、比較的多方面からのアクセスも良く、患者さんが通院しやすい点もこの場所を選んだ理由です。実際、福岡県や大分県、天草と遠方から来院されている患者さんもいらっしゃいますね。
![たかしお内科ハートクリニックの外観の写真](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fimages.microcms-assets.io%2Fassets%2Fdda4cf7a18e94690acc6ea9a2a3abdae%2F0633606179e64aaaae63dc8e4eb4f557%2F312395_01_p2.jpg&w=1920&q=75)