生活習慣病治療に前向き取り組むための動機づけを重視。待ち時間への配慮など患者目線の診療を実践
2024年4月に院内をリニューアルされたそうですね。
院長を継承した後、すぐに病院名を変えると患者さんも混乱するだろうと思い、病院名も内装もそのままで診療を続けました。「本中山クリニック」に改名したのは院長就任の2年後、2015年のことです。内装は開院後20年近く経過していたこともあり、床、壁紙、天井などの老朽化が目立つようになったので、2024年4月にリニューアルしました。あまり奇をてらうことなく、白やアイボリーを基調とした内装にし、患者さんが落ち着くアットホームな雰囲気を意識しました。
日々の診療で心がけていることを教えてください。
まずは患者さんの話を注意深く聞くこと。それから、触診したり、聴診器で音を聴いたり、口の中を見たりといった診察をしっかり行い、適切な診断をくだすことを大切にしています。また、説明する際はできるだけわかりやすい言葉を使って丁寧に話すよう心掛けています。とはいえ、当院は私ひとりで診察を行なっていますので、あまり一人の患者さんに時間をかけると他の方の待ち時間が長くなってしまうこともあり、悩ましいところです。
予約システムの導入も検討中です。90歳を過ぎた患者さんもいらっしゃるので簡単に決断はできませんが、一人でも多くの患者さんがスムーズに診療を受けていただけるよう、環境を整えていきたいと考えています。
お忙しいとは思いますが、プライベートの時間の過ごし方も教えていただけますか？
趣味はたくさんありますが、20代の頃から続けているのはオペラ鑑賞です。初めて鑑賞した時に、人間の声の美しさと力強さに度肝を抜かれ、それ以来夢中になってしまいました。オペラは、音楽、歌、ストーリー、舞台美術、衣装などの要素が詰まった総合芸術として、多方面から楽しめるところが魅力です。好きな作曲家は、イタリアだとプッチーニ、ドイツだとワーグナーですね。最近では大学の同級生に誘われてNHK交響楽団のコンサートにも行くのも楽しみのひとつです。
今後の展望をお聞かせください。
2024年6月の診療報酬改定や、12月の健康保険証の廃止により、医療現場や患者さんに混乱が生じることを危惧しています。特に生活習慣病治療への影響が大きくなるので「何だか面倒くさい」と受診しなくなる患者さんが増えるのではないかと懸念しています。
ただでさえ生活習慣病は自覚症状が少なく、治療に前向きになっていただくことが難しいので、治療に対する動機づけが重要です。食事の改善や運動習慣が健康寿命の延伸に繋がることや、定期的に通院していただくことの大切さをしっかり伝え、患者さん自身が治療や生活習慣の改善に積極的に取り組んでいけるよう力を尽くしたいですね。
さいごに、読者へのメッセージをお聞かせください。
当院は地域のかかりつけ医として、風邪や腹痛などの急性疾患をはじめ生活習慣病などの慢性疾患まで幅広く対応しています。総合内科専門医、消化器病専門医、肝臓専門医として、できるだけ地域の皆さまのお力になりたいと思っています。困ったことがあれば何でも気軽に相談してください。