患者に寄り添った診療で、地域のかかりつけ医として頼られる存在であり続けたい
今後、先生が力をいれていきたい診療はどういった分野でしょうか。
先ほどお話した肛門疾患はもちろんですが、大腸内視鏡検査（大腸カメラ）と診断、内視鏡検査時のポリープ切除をはじめとした消化器診療全般にも力を入れていきたいですね。特に、「便に血が混じる」といった症状は、患者さんには大腸の病気と痔の区別がつきにくい状態で、当院でも診断に必要であると判断した場合には、積極的に大腸内視鏡検査を提案しています。
大腸内視鏡検査は、肛門から内視鏡スコープを挿入し大腸内部を直接観察することで、大腸がんをはじめ、大腸の炎症や大腸ポリープなど、大腸疾患を早期発見するためにはとても有効な検査です。当院では、鎮静剤を使用し、大腸・肛門外科医としてこれまでに培ってきた挿入技法で、患者さんの負担や苦痛が少ない検査の提供に努めています。
大腸がんも他のがんと同じように、早期に発見して早期に治療することで、根治が目指せる疾患になっていますので、できるだけ多くの方にうけていただきたいですね。
日々の診療で心がけていることはありますか？
患者さんの訴えに真摯に耳を傾けること大切にしています。たとえば、肛門の病気では、病名が同じ患者さんでも症状の出方がまったく違うことがよくあります。病態は重くないのに痛みが強く出る方もいますし、反対に病状はひどい状態なのに痛みなどの自覚症状がほとんどない方もいらっしゃいます。
患者さんとしっかりコニュニケーションをとることで、困っていることやお悩みに寄り添い、どうして欲しいのかということを理解した上で、患者さんに満足していただけるような治療の提案ができるよう努めています。
毎日お忙しい日々とは思いますが、休日はどうようにお過ごしですか？
僕が小さい頃、父がよくキャンプに連れていってくれた影響からか、僕も自然にアウトドアが大好きになっていて、今は時間がとれれば、温かい季節はキャンプに、寒い時期はスキーにと、家族と一緒にでかけて楽しむことが多いですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
先ほども少し触れましたが、当院のある群馬県内には、肛門疾患を専門に見る医療機関は多くありません。そのため、肛門に気になる症状があっても、受診をためらっている患者さんも少なくないと思います。当院は、そんな患者さんの受け皿になれるよう、気軽に相談してもらって、気になる症状の改善を目指せる環境を整えています。
また「排便時に出血がある」といった場合には、肛門の病気ではなく大腸がんなどの重大な病気が隠れていることもあります。「痔だから大丈夫」と自己判断せずに、受診していただきたいと思います。
これからも、インフォームドコンセントを大切に患者さんに寄り添った診療で、父と二人三脚、地域医療に貢献できるよう尽力してまいります。気になる症状や健康不安など、何でもご相談ください。スタッフ一同お待ちしております。