患者さんの初期診療にあたり、よりよい医療につなげる。それが地域のかかりつけ医の大切な役割
貴院にはどのような患者さんが来院されていますか?
ご高齢の患者さん、それから、高血圧や糖尿病などの慢性疾患を抱えておられる方が大変多いです。父の頃から来てくださっている患者さんもいらっしゃいますし、私の代にかわってからいらしていただけるようになった患者さんもおられます。
ご高齢の方ですと、認知症を患う患者さんや、足腰が弱って外出が困難になる患者さんもおられます。そうした方に対しては、適切な医療を提供するとともに介護保険の利用などについてアドバイスさせていただくなど、可能な範囲で生活面でもサポートしています。
特に力を入れている分野がありましたらお聞かせください。
近年は若い頃から血圧や血糖値が高い方も多く、その状態を放置してしまうと脳卒中や心筋梗塞といった重篤な疾患を引き起こす危険性が高まります。それを防ぐため、できるだけ早い段階から食事や運動など生活習慣の改善によって状態をコントロールしたり、薬物治療で生活習慣病を治療することが大切です。
そこで当院では生活習慣病外来を設け、患者さん一人ひとりに合った食事や運動習慣についてアドバイスを行ったり、薬物治療を通じて患者さんの症状をコントロールするなど、生活習慣病の患者さんのサポートに力を入れています。
生活習慣病は、患者さんご自身が生活習慣を改善することによって、患者さんご自身で体の状態をよくすることができます。当院は、患者さんの症状が進行しないよう治療の面からお手伝いするのはもちろんですが、患者さんご自身が体の状態をいいほうにもっていく行動のお手伝いもできればと思っています。
現代は花粉症の方も多いですが、貴院にはアレルギー疾患の患者さんもいらっしゃいますか?
もちろんおみえになります。医療機関が多い地域にお住まいで、ご近所に耳鼻科がある方でしたら、花粉症が気になるときには耳鼻科を受診しようと思われるかもしれません。ですが、この館林市邑楽郡地域は医療機関が比較的少なく、耳鼻科を受診することが難しいという患者さんもおられます。そこで、気になる症状があったらまずは最寄りの医療機関に診てもらおうと、当院に来られる患者さんも多いですね。
町の開業医として、そうした患者さんを診させていただくことは大切な役割です。当院は診療科目として内科・外科・麻酔科を掲げておりますが、その領域にかかわらず、発熱や咳、頭痛や腹痛といった一般内科の症状、胃や腸の不調、生活習慣病などの慢性疾患、花粉症などのアレルギー疾患、更年期障害など、さまざまな症状を診させていただいております。ですので、どのような症状でもお気兼ねなく、まずは一度ご来院いただければと思います。
そしてもう一つ大切な役割は、患者さんをただ診るだけではなく、当院で治療することが可能かどうか、専門医の診察を受ける必要があるかどうかを見極めることです。初期診療を行い、専門医の診察・治療を受ける必要があると判断した場合は、提携している医療病院をご紹介いたします。
患者さんの体に潜んでいる病気を早期に発見し、少しでも早く適切な治療につなげる。このことを地域のかかりつけ医の重要な役割として意識し、診療にあたっています。