地域のかかりつけ医として、あらゆる内科疾患に対応。高齢者の糖尿病治療にも尽力し健康をサポート
現在、どのような患者さんが多く来院されていますか?

0歳から100歳まで全世代の方がお見えになりますが、患者さんのうち65歳以上の高齢者が6割、15歳未満の小児が1割、成人が3割といった内訳になります。主訴もさまざまで、風邪やインフルエンザなどの感染症をはじめ、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病、最近は認知症の方も増えてきている印象です。
地域のかかりつけ医として、患者さんが訴えてこられる症状を幅広く診療し、より専門的な検査や治療が必要と判断した場合は、地域の関連病院を紹介しています。
貴院で注力している診療があれば教えてください。
内科疾患は幅広く対応していますが、患者さんの半数以上が高齢者ということもあり、一つ挙げるとすれば、やはり糖尿病になります。
診療では、血液検査などのデータに基づいて体の状態を把握し、ガイドラインに沿って治療方針を決めていきます。患者さんの肥満度や、インスリン不全は分泌低下なのか抵抗性なのかといった性質を見極め、適切な治療法をご提案します。薬物療法では、「SGLT2阻害薬」「DPP-4阻害薬」といった新薬も登場していますので、患者さんお一人おひとりに合わせたお薬を選択しながら、食事療法や運動療法などの生活習慣の改善も指導していきます。
また、長期にわたって糖尿病を患っている患者さんは合併症のリスクが高まりますので、糖尿病網膜症や腎機能の低下などにも注意しながら経過観察を行っています。
医療機器はどのようなものを導入されていますか?

血液検査、心電図、胸部レントゲン、超音波(エコー)など、初期診療で必要な検査機器は一通り揃えています。また、糖尿病の診断と治療において重要な指標となるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の測定器や、動脈硬化の進行度を調べる検査機器も導入し、検査から診断、治療までスムーズに進められるようにしています。
2025年7月に開院20年を迎えられますが、この20年を振り返っていかがですか?
ついこの間、開院したばかりと思っていましたが、あっという間に20年経っていました。もともと茨城県は、全国の中でも医療従事者が少ないのですが、当院のある桜川市はさらに人数が少なく、医師の一人として悩ましい問題だと感じています。
また、患者さんだけでなく、医師の高齢化も進んでおり、この20年間で医師にかかる負担は年々大きくなっていますね。学校医や産業医、行政への協力なども求められますので、なかなか医院の診療だけに集中するのは難しいというのが現状です。さまざまな問題はありますが、患者さんや地域の方のおかげで20年続けることができています。これからも微力ながら地域医療に貢献していきたいと思っています。