地域医療を支え続けてきた亡父の医院を継承。さまざまな医療ニーズに幅広く対応し、女性特有の病気にも向き合うクリニックを運営
はじめに、医師を志したきっかけをお聞かせください。
【佐々木院長】医師を目指したのは、父の影響が大きかったと思います。私が物心ついた頃には、この場所で開業していましたので、父が医師として働く姿を間近で見ながら育ちました。私が子どもの頃は、まだ入院設備のある診療所でしたから、入院患者さんの容態が変わるたびに、昼夜問わず病室に駆けつけ懸命に治療にあたっていた父の姿が特に印象的で、医師という職業を選ぶ大きなきっかけになりました。
佐々木院長が泌尿器科を専門とされたのは、どのような理由からですか?
【佐々木院長】秋田大学医学部在学中、いろいろな科を周って勉強させていただきました。その実習中、泌尿器科を周った際、“膀胱炎や排尿障害などの泌尿器疾患の患者さんの半数近くは女性なのに、泌尿器科を専門とする女性医師がとても少ない”という実情を知りました。実際、当時、秋田大学医学部付属病院には、女性の泌尿器科医はいませんでした。担当の先生から、女性患者さんの訴える表現を正しく理解するには、やはり同性の女性医師が必要だということをおっしゃっていただき、私でお力添えできるならと泌尿器科に入局しました。
また、泌尿器科は、内科的な治療、外科的な治療の両方を担当します。診断から治療まで、一貫して患者さんに寄り添えるというのも魅力的だなと思ったことも大きかったですね。
佐々木院長が、医院を引き継がれるまでのご経歴を教えてください。
引き継いだ後も、クリニックでの診療を続けながら、別の病院に勤務する機会をいただき、女性泌尿器科が扱う腹圧性尿失禁や、骨盤臓器脱といった女性特有の泌尿器疾患を専門的に学んできました。そこで得た知見を女性患者さんの診療に活かした「女性外来」も行っています。
2022年5月からは、基幹病院などで豊富な臨床経験を積まれ、産科の開業医でもあったベテランの産婦人科専門医※1の山本幸一先生に入職していただき、婦人科診療も始めています。
※1 日本産婦人科学会産婦人科専門医