患者の意思や生活背景を尊重し、きめ細やかな診療を提供。「寄り添う医療」で地域住民の健康を守りたい
日々の診療で心がけていることはありますか?

何よりも大切にしているのは、「患者さんに寄り添うこと」です。診療では、患者さんのお話に耳を傾け、治療方針についても一方的に決めるのではなく、患者さんと対話を重ねて納得のいく医療を提供するように心がけています。
また、近年では、慢性疾患の診療において「クリニカルイナーシャ(臨床的惰性)」の問題も指摘されています。特に、透析患者さんのように診察機会が多い方では、「少し様子を見ましょう」と経過観察を繰り返すうちに、適切な治療のタイミングを逃してしまうリスクがあります。そうしたことが患者さんの予後に影響を与えることもあるため、私自身、常にこの「惰性」に陥らないよう自戒を持ち、日々の診療に臨んでいます。
休日や診療時間外はどのように過ごされていますか?
何かと忙しい日々ですが、できるだけ休日を確保して、オンとオフのメリハリをつけるようにしています。
子どもたちが小さい頃は、「次の休みはどこへ遊びに連れて行こうか」といつも考えていましたが、成長とともに少し手が離れ、今は自分の時間を楽しめるようになりました。昔から好きだった競馬をはじめ、ゴルフやスポーツ観戦、ライブ鑑賞など、さまざまな趣味に没頭しています。
もともと体を動かすのが好きなので、時間があるときはゴルフ仲間とラウンドに行っています。ゴルフは、いくら練習してもなかなか上達せずめげそうになりながらも、メンタルが安定しているときは急にいいスコアが出たりするところが不思議な魅力で、やはりベストスコアを更新できたときは本当に嬉しいですね。自然の中で友達や先輩・後輩と会話しながら楽しむ時間がリフレッシュになっています。
さいごに、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

今後は、25年以上にわたり腎臓専門医として培ってきた経験を活かし、慢性腎臓病をはじめとする腎疾患の予防と早期発見に力を入れていきたいと考えています。先ほどもお話しましたが、腎疾患は自覚症状があらわれにくく、気づいたときには重症化していることが少なくありません。定期的な健康診断はもちろん、蛋白尿・血尿や腎機能の低下を指摘された場合には、先延ばしにせず、できるだけ早く受診していただきたいと思います。
また、地域のかかりつけ医として、生まれ育ったこの地で皆さんの健康を支える存在であり続けたい──その想いを胸に、信頼される医療の提供を目指して精進してまいります。ささいなことでも構いませんので、健康に関するお悩みやお困りごとがありましたら当院にご相談ください。