内科、精神科、整形外科を3本柱に、入院医療、介護・福祉サービスも展開。整形外科では、骨折や人工関節置換術を始めとする高度な手術も開始
貴院の特長を教えてください。
【瀧井医師】当院は、地域のかかりつけ医として、健康診断や予防接種も含めて内科全般を幅広く診療し、精神科、整形外科では専門診療を行っています。さらに、入院医療についても、精神科病床64床、医療療養病床18床、地域包括ケア病床12床を備え、中長期の入院加療が必要な患者さんを受け入れています。
また、この日向・入郷地域もご高齢の方が増えていますので、介護が必要な方の療養施設として介護医療院50床、在宅復帰を目指しリハビリ等を行う介護老人保健施設があり、グループホームやケアハウス、デイサービスなどの介護福祉サービスも充実させています。
どのような患者さんが多く来院されているのでしょうか?
【瀧井医師】地域の特性として、やはりご高齢の患者さんが圧倒的に多いですね。主訴は、内科ですと風邪や腹痛といった急性疾患から糖尿病や高血圧といった生活習慣病、心臓病などの慢性疾患まで幅広く、ご高齢の方だと複数の病気を抱えている患者さんも少なくありません。精神科は、認知症の方が多く、整形外科も加齢による関節の痛みや加齢による骨折といった患者さんが多いですね。どの科目も、当院をかかりつけとして、長年かかってくださっている患者さんが多くおられます。
また、児童発達支援事業所も運営していますので、療育のお悩みの相談や障がいのあるお子さんの保育、理学療法士や作業療法士によるリハビリなどを受けにこられるお子さんもおられます。
瀧井医師、蒲池先生が担当される整形外科では、どのような専門診療が受けられますか?
【瀧井医師】私は、首や背骨といった脊椎疾患の専門診療に加えて、肩や腰、膝といった関節疾患、骨折などの外傷も含めて、整形外科に関するさまざまなお悩みに応えていきたいと考えています。
【蒲池医師】離島では、島内でほとんどの医療を完結させなくてはならないこともあり、整形外科についても軽いケガからスポーツ外傷の治療、骨折の手術、膝や股関節の人工関節置換術といった専門的な手術まで、幅広く携わってきました。瀧井先生とタッグを組むことで、かなり幅広く、整形外科のケガや病気に対応できると思います。
2025年1月より、整形外科のための手術室が新たに稼働されたそうですね。
【瀧井医師】この日向・入郷地域には、整形外科の手術が受けられる医療機関が少ないこともあって、手術が必要な患者さんの大半が宮崎市内の中核病院か県外の基幹病院まで出向いて治療を受けているという実情があります。当院もこれまで手術は行っていなかったのですが、手術経験も豊富な蒲池先生に常勤で診療していただけるので、この機会に手術室の新設を決断し、リハビリを含む保存的治療だけでなく、手術療法についても一通りの治療がこの地域内で完結できるように体制を整えました。
整形外科については、自宅への復帰まで、貴院内で治療やリハビリが完結するわけですね。
【瀧井医師】そうですね。例えば、手術後、当院関連の老健施設で入院しながらリハビリを受けていただくこともできます。万が一、介護が必要になっても受け入れ施設がありますから、安心して治療を受けていただけると思います。
また、今回、手術室を新設するにあたって、幅広い領域の整形外科手術に対応できるよう、かなり高度な手術設備を導入しています。たとえ蒲池先生や私が対応できない症例であっても、その領域の専門の先生に当院に来ていただき手術ができる体制を整えましたので、患者さんは遠方まで行かなくても、住み慣れた地域の中で、たいていの手術は受けていただけます。