苦痛の少ない胃・大腸内視鏡検査で、早期がんの発見を目指す。女性医師の在籍も強み
現在、どのような患者さんが多く来院されていますか?
【謙副院長】以前は50代、60代以降の患者さんが中心でしたが、私が消化器疾患や肛門疾患をメインに診療するようになったこともあり、最近は腹痛や便通異常、おしりの悩みなどを抱えた20代、30代の若い世代の患者さんも多くなった印象です。果林医師が入職してからは、内視鏡検査を希望される女性の患者さんも増えましたね。
謙副院長は、得意とされている大腸内視鏡検査で、早期がんの発見に努めていらっしゃるそうですね。

【謙副院長】はい。消化器がんの早期発見のため、胃・大腸の内視鏡検査に力を入れていますが、特に大腸内視鏡検査はライフワークと呼べるほど情熱を注いでいます。外科医として大腸がんの手術を多数手がけるなかで、臓器を実際に見て、触れながら診療を重ねてきた経験が、現在の内視鏡検査に大いに生かされていると感じます。
消化器がんの早期発見に有用な内視鏡検査ですが、「つらそう」「痛そう」「恥ずかしい」というマイナスイメージを持っている方も多く、検査受診の妨げになっている現状があります。検査に対する心理的なハードルを下げることが、消化器がんの早期発見・早期治療につながると考え、当院では患者さんの苦痛や不安を軽減するためにさまざまな工夫を凝らしています。
胃・大腸内視鏡検査の苦痛を軽減するために、どのような工夫を凝らしているのか教えてください。
【謙副院長】まず、胃カメラ・大腸カメラともにご希望に応じて鎮静剤を使用し、半分眠っているようなリラックスした状態で検査を受けていただけます。私も果林医師も、慶應義塾大学病院や山王メディカルセンターといった鎮静下での内視鏡検査に豊富な実績を持つ施設で長年経験を積んでおり、この点は当院の大きな強みです。
さらに、最新鋭の内視鏡システムを導入し、精度の高い検査を短時間で行える体制を整えています。2種類のレーザー光源により粘膜表面の血管や構造を鮮明に映し出すことができ、微細な病変の発見にも大きな力を発揮します。また、検査中に切除可能な大きさのポリープを見つけた場合は、その場で切除を実施。入院の必要はなく、当日中にご帰宅いただけます。
大腸カメラにあたっては、大量の下剤を服用することが負担となりがちですが、当院では少量で済む下剤を導入し、患者さんの負担を軽減しています。検査は半日ほどで終了し、胃と大腸の検査を同日にまとめて受けることも可能です。食事制限や事前準備が一度で済むため、特に多忙な働き世代の方からご好評をいただいています。
女性医師による内視鏡検査が受けられるのも貴院の特長ですね。

【果林医師】はい。特に大腸カメラ検査は肛門から内視鏡を挿入するため、男性医師による検査に抵抗を感じられる女性患者さんも少なくありません。羞恥心や緊張から体がこわばり、痛みや不快感につながることもあります。私が検査を担当することで、少しでも心理的な負担を軽減し、リラックスして受けていただけるよう心がけています。