更新日: 2025-12-19

基本情報

名称:
横浜西口菅原皮膚科
診療科目:
皮膚科
住所:
〒 221-0835
神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2丁目24-1 谷川ビル3F

電話番号045-324-1281電話
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すべては患者のために、日常診療だけでなく学術活動にも邁進。SDM(共同意思決定)も導入し、満足度の高い診療を目指す

日々の診療で心がけていることはありますか?

三上 万理子先生の写真

私が日々の診療で大切にしているのは、母校の聖心女子学院で教わった“奉仕の心”です。「感謝を忘れず、患者さんに尽くすこと」。この教えが、私の医師としての軸になっています。子どもの頃から病気の痛みやつらさに苦しみ、「なぜ自分ばかりが…」と心が折れていた時期もありました。でも、そのたびに両親や家族、恩師に支えられ、なんとか前を向いてこられました。
医師になってからも、横浜市立大学でお世話になった相原道子先生、国立感染症研究所ハンセン病研究センターのセンター長もお勤めになられた石井則久先生、そして横浜市民病院の皮膚科部長でいらした故・毛利忍先生など、挙げきれないほど多くの臨床医の先生方にお導きいただきました。心から感謝しています。

また、コツコツ続けてきた基礎研究は日頃の臨床の現場に置いて、患者さんの病態を解析する上で非常に有用なものとなっています。この研究をご指導くださってきた帝京大学の鈴木幸一教授、東京薬科大学の中南秀将教授にも心より御礼を申し上げたいです。

そして、日々一緒に働く当院のスタッフ、診療を支えてくださる企業の皆さまにも、感謝の思いは尽きません。私自身がつらい時期を経験したからこそ、患者さんの痛みや苦しみに、ほんの少しでも寄り添えるのではないかと思っています。また、医療の進歩にも助けられ、昔は治療が困難であった病気を治しうる選択肢が出てきたことは喜びです。「患者さんの気持ちに寄り添う」と言ってしまうのはおこがましいかもしれませんが、それでも、診察室では、少しでも心が軽くなり、温かい気持ちになっていただけるような関わりを心がけています。

貴院では、患者さんと医療者が協力して治療方針を決めていくSDM(共同意思決定)にも取り組まれているそうですね。

はい。SDM(Shared Decision Making/共同意思決定)は、医師主導ではなく、患者さんと医療者が対等な立場で情報を共有しながら、最善の治療方針を一緒に考えていくアプローチです。私自身も、「その人らしい医療」の実現には、この考え方がとても重要だと考えています。
とくに皮膚科領域では、慢性疾患や見た目に関わる症状など、生活の質(QOL)に大きく影響する病気も多く、治療内容やゴール設定は、患者さんご自身の価値観やライフスタイルと深く関わってきます。だからこそ、選択肢のメリット・デメリットを丁寧にお伝えし、ご本人の希望や生活背景をふまえて治療方針を決めていくことが欠かせません。私自身、皮膚科医療の進歩に遅れないよう、さまざまな学会や研究会に積極的に参加し、最新の治療法や知見を常にアップデートするよう心がけています。日々進化する治療の中から、患者さんにとってより良い選択肢を一緒に見つけ出し、ともに治療計画を組み立てていく──それが、私が大切にしているSDMのかたちです。

お忙しい日々かと思いますが、診療時間以外はどのように過ごされていますか?

三上 万理子先生の表彰盾の写真

診療以外の時間のほとんどを、学術活動や研究に充てています。なかでも私が長年取り組んでいるテーマのひとつが「抗酸菌・顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases:NTDs)」に関する研究で、約15年にわたり、皮膚疾患に苦しむ途上国の方々を支援する国際的な活動にも関わってきました。特に力を入れてきたのが、抗酸菌の一種であるらい菌によって引き起こされるハンセン病や、ブルーリ潰瘍に関する研究です。ハンセン病の病態解明や診断法の開発に携わるほか、国立感染症研究所の先生方と研究や調査にご一緒させていただき、WHO主催の世界ミーティングへの参加や、疫学調査の報告などをしています。

ハンセン病は、日本国内ではほとんど見られなくなった疾患ですが、世界的にはいまだに新規感染・発病が報告されており、WHOがNTDsのひとつとして指定している重要な感染症です。私自身も、こうした現実に少しでも貢献したいという思いから、リハビリ支援や医療教育、診断支援などにも携わって参りました。
また日本国内でも、移住された外国人の中にハンセン病を発症される方がいらっしゃるため、地方医療機関の依頼で現地に赴き、診断や対応に尽力することもあります。こうした活動は、皮膚科医としての専門性を社会に還元する機会でもあり、これからもライフワークとして大切にしていきたいと思っています。
 
さらに近年は、薬剤耐性菌として問題になっているMRSA皮膚感染症に関する研究にも取り組んでいます。現在、東京薬科大学の研究生としてこのテーマに取り組んでおり、これまでの成果が評価され、皮膚科学分野で権威のある「高木賞」や、日本臨床皮膚科学会の最優秀ポスター賞、神奈川県医師会学術功労賞をいただく機会にも恵まれました。今後も研究と臨床の両面から、医療の発展と社会への貢献を目指していきたいと思っています。

のんびりお休みされる時間もなさそうですね。

そうですね。でも、学会活動や講演など、どれも自分の好きなことばかりなので、苦には感じていないんです。何より、かつてのように痛みに悩まされることなく、24時間を自分の意思で使えるようになった今、その一つひとつの時間がとても愛おしく、ありがたく思えます。
 
忙しい毎日のなかでも、合間を縫って家族と一緒に食卓を囲み、「おいしい」と笑顔で言ってもらえるひとときは、何にも代えがたい幸せですね。とくに息子は不妊治療を乗り越えて授かった、私にとってかけがえのない存在です(笑)。
その息子が小学5年生のとき、「母さんの働く姿をみて、僕は命の尊さを思い知ったよ。迅速な判断を求められる医師ではなく別の側面から社会貢献したいと思っているんだ。だから、僕に医師になれと言わないでくれないか。」と理路整然と宣言されて(笑)、今、私とは違う道を歩み始めています。
でも最近は、私が取り組んでいるワンヘルスサイエンス(学会理事を勤めています)という社会貢献活動に関心を持ってくれていて、「いずれ母さんと同じようにワンヘルスサイエンスに関わる仕事についてみたいと考えているから、待っていてね」と言ってくれるようになったんです。そんなふうに少しずつ大人になっていく姿を見ることも、日々の何よりの喜びになっています。

さいごに、読者へのメッセージをお願いします。

三上 万理子先生の写真

当院では、自費診療も行ってはいますが、基本は保険診療を軸とした、誠実で実直な皮膚科診療を大切にしています。お薬ひとつにしても、その作用や意図をきちんとご説明したうえでご提供するなど、納得いただける医療を目指しています。つい診察中に説明が長くなってしまって、スタッフから「先生、他の患者さんをお待たせしすぎです」と注意されてしまうこともありますが(笑)、それだけお一人おひとりと真剣に向き合わせていただいているつもりです。また、より高度な専門医療が必要と判断した場合には、信頼できる専門医や医療機関と連携し、適切に橋渡しも行っています。
 
これまで皮膚科は、原因や病態が不明な疾患も多く、“わからないことの多い領域”とされてきました。ですが近年、研究の進展により少しずつその仕組みが解明され、治療の選択肢も着実に広がってきています。「なかなか良くならない」「何を試しても変わらない」とお悩みの方も、今だからこそご提案できる治療があるかもしれません。まずはご相談だけでも構いませんので、どうぞ気軽に足を運んでいただけたらと思います。