CTによる精密検査から治療までワンストップ診療を提供
どのような患者さんが多く来院されますか?
お子さんから高齢の方まで、幅広い年齢の方が来院されています。症状としては、耳の痛みや耳鳴り、鼻水・鼻詰まり、のどの痛みといった一般的な耳・鼻・のどの病気のほか、味覚障害や嗅覚障害、くびや顔面の病気、めまい、いびき、補聴器外来と、主訴もさまざまです。
力を入れている診療がありましたら教えてください。
私は、迅速かつ的確な診断こそが、早期発見や適切な治療につながると考えています。そこで、数十ミクロンレベルの詳細な情報を得ることができる耳鼻咽喉科用CT検査機器をはじめ、ファイバースコープ(内視鏡)、血液検査、インフルエンザ等のウイルス検査など、初期診断に必要な検査機器を導入して、診断のスピード化と精度向上に努めています。
特に、CTについては、導入している耳鼻咽喉科クリニックは、まだ珍しいようですが、私は必要性を実感しています。というのも、大学病院で私が専門としていた鼻の疾患では、内視鏡検査で「問題なし」とされていた患者さんにCT検査をしたら、病気が見つかったというケースが少なくなかったからです。
当院内でCT検査を受けることができれば、検査のために別の医療機関を受診していただく手間が省けます。診断もその場でできますので、検査結果が出るまでの不安な時間も短縮できます。早期治療につなげるだけでなく、患者さんの負担を少しでも減らしたいと考え、検査から治療まで、可能な限りワンストップで診療できる体制を整えました。
この地域の特性に合わせて工夫されていることはありますか?
このエリアは、お子さんを保育園などに預けて、共働きしているお母さんが多いという印象があります。多忙な方ほど、受診のための時間を割くのは大変だと思いますので、患者さんが受診機会を確保できるような取り組みを行っています。その一つがWEB予約システムです。いつでもインターネットから予約ができるようにして、できる限り診察の待ち時間を減らせるよう工夫しています。
実は、大学病院や地域の基幹病院に勤務している頃は、診察の待ち時間などを気にしたことはありませんでした。しかし、診療時間が短いとか、土日は休診だとか、患者さんの都合を度外視していると、多忙な方の受診機会は、ますます失われていきます。受診のタイミングが遅れ、病状を悪化させてしまう患者さんが多いと感じるのは、そうしたことの弊害も少なからずあるのではないかと考えるようになりました。
ただ、予約システムを使っても、どうしても診察の待ち時間ができてしまうことがあります。待ち時間もホッとできる憩いのスペースになればと、待合室にはお茶やコーヒーのドリンクサーバーを設置したり、キッズコーナーも配置しています。
また、院内にはフリー Wi-Fiを導入してインターネット環境を整えたり、「ビューン」という雑誌や漫画などの電子書籍が読み放題になるサービスも取り入れています。
お忙しい中時間を割いて来ていただいている皆さんに、少しでも待ち時間を有効に活用していただけたらと思っています。