夜中でも往診に赴く先代院長の父に尊敬の念を抱き、自然と志した眼科医の道
はじめに先生が医師を志したきっかけを教えてください。
当院の先代院長だった父が、冬の夜などに時おり、患者さん宅に往診に行くことがあったんです。翌朝「どうして夜中に出かけたの?」と尋ねると、「特に寒い時期の夜には、急に眼圧が上がって、目や頭の強い痛みや吐き気など緊急の症状があらわれることがあり、その場合はすぐに治療する必要があるのだ」と教えてくれました。子どもながらに「人を救えるお医者さんはすごいな」と心を打たれたことを覚えています。
その時の感動を抱き続けて私も医師に…というとなんだか面はゆいですが、やはり根底には父への尊敬の気持ちがあり、また両親も応援してくれたこともあって、埼玉医科大学に進みました。
大学卒業後はどのような経緯でママダ眼科医院を継承されたのでしょうか?
大学卒業後は順天堂大学医学部附属順天堂医院の眼科に勤務。当初から当院を継承するつもりでおりましたので、目の疾患のなかでも一般的に悩まれる患者さんが多い、網膜疾患や緑内障、白内障を中心に約7年間臨床経験を積んできました。
高度医療・先進医療を提供する大学附属病院は、原則として紹介状を必要とする「特定機能病院」ですから、重篤な症状の方も多くいらっしゃいます。毎日のように開業眼科医の先生からの紹介でいらっしゃった患者さんの手術があり、無我夢中で腕を磨いた7年間でしたね。
その後は、先代院長である父のもと、当院で診察にあたりました。ベテランの眼科医である父からは、診療の技術はもちろん、お子さんからご高齢の方まで幅広くお見えになる患者さんへの接し方、お悩みごとへの問診のしかたなど、学びが多くありました。そして、2020年、父の引退に伴い当院を継承するに至ります。