更新日: 2025-05-08

基本情報

名称:
とじま内科クリニック
診療科目:
内科, 呼吸器内科
住所:
〒 143-0016
東京都大田区大森北4丁目18-8

電話番号03-3763-1159電話
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風邪や生活習慣病、長引く咳など幅広く診療。気管支喘息、COPDなど難治性の呼吸器疾患では専門性の高い診療を実践

現在、貴院にはどのような患者さんが来院されていますか?

戸島 洋一先生の写真

当院には、喘息をはじめとする呼吸器疾患の患者さんが多く来院されます。なかでも「咳が止まらない」といった症状を訴える方が非常に多いですね。そのほかにも、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の管理で通院されている方や、肺炎・インフルエンザなどの感染症の方もいらっしゃいます。

呼吸器疾患の中には、原因や病名がすぐにははっきりしないケースも少なくありません。だからこそ、呼吸器内科の専門医として、丁寧な診察と検査を通じて的確な診断をつけることを大切にしています。「長引く咳がなかなか治らない」「他の病院に通っていたけれど改善しなかった」という方にも、数多くご来院いただいています。

特に力を入れている診療について教えてください。

当院では、気管支喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診療に力を入れています。まず、喘息が疑われる患者さんには、喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒューという音)や咳、痰、息苦しさ、胸の痛みといった症状の有無を丁寧に確認します。加えて、症状が日中と夜間でどうあらわれるか、家族に喘息の既往があるか、アレルギー性鼻炎の有無などについてもお聞きし、背景を詳しく把握します。診断には、聴診や胸部レントゲン検査に加えて、呼気中の一酸化窒素濃度を測定する「呼気NO検査」などを用いて、呼吸器の炎症状態を客観的に評価します。

治療の基本は、気道の炎症を抑える吸入ステロイド薬です。これに加えて、発作時には気道を広げる薬(発作治療薬)を併用し、症状のコントロールを図ります。さらに、症状が重く、通常の治療だけでは効果が不十分な場合には、「生物学的製剤(バイオ製剤)」による注射治療を検討することもあります。これは重症喘息の原因となる特定のアレルギー物質に直接作用し、症状を緩和するとともに、ステロイド薬の使用量を減らすことが期待される治療法です。この注射は院内で実施することも可能ですが、ご希望に応じて処方箋をお出しし、自宅で自己注射を行っていただく方法も選択できます。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対しては、どのような診療を行っていますか?

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、長年の喫煙などが原因で気管支や肺胞に慢性的な炎症が起き、呼吸がしづらくなる病気です。主な症状は、息切れ、慢性的な咳、痰の増加などで、進行すると日常生活にも大きな支障をきたします。
診断にあたっては、肺の状態を詳しく調べるためにスパイロメトリー(肺機能検査)を行い、肺活量や呼気の流れなどを評価します。COPDと診断された場合、治療の中心は吸入薬です。気道の炎症を抑え、呼吸をしやすくする作用がある薬剤を、患者さん一人ひとりの症状に応じて処方します。重症の方には、「在宅酸素療法(HOT)」を導入することもあります。これはご自宅に専用の酸素供給装置を設置し、鼻に装着したチューブから酸素を吸入することで呼吸を補助する治療法で、息切れの軽減や運動時の体力向上、生活の質(QOL)の改善が期待できます。

また、当院では睡眠時無呼吸症候群の診療にも対応しており、治療には「CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)」を用いています。専用の鼻マスクと装置を使って、就寝中に気道が塞がるのを防ぎ、安定した呼吸を保つ治療法で、現在は約50人の患者さんがこの治療を継続されています。

これらの診療に対応するため、導入された医療機器について教えてください。

呼気NO(一酸化窒素)測定器の写真
呼気NO(一酸化窒素)測定器

診断と治療の精度を高めるために、いくつかの医療機器をこだわって導入しています。まず、気管支喘息の診断に欠かせないのが「呼気NO検査装置」です。呼吸器疾患の多くは炎症をともないますが、呼気中の一酸化窒素(NO)の数値が特に高くなるのは喘息に特徴的とされています。このため、呼気NOの測定は喘息の有無を判断する上で、非常に有効な指標となります。
次に、「スパイロメーター」と呼ばれる肺機能検査機器を導入しています。これは肺活量や換気機能を数値化することで、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの診断・病状評価に役立ちます。

さらに、新たに「AI(人工知能)を活用した胸部X線画像診断システム」も導入しました。AIによる画像解析は、医師の読影と組み合わせることで、より高精度な診断が可能となり、見落としのリスクを低減します。こうした二重チェック体制により、質の高い医療の提供に努めています。