患者に負担をかけず、小さな病変も見逃さない精度の高い内視鏡検査の提供を目指す
現在、どのような患者さんが来院されていますか?
当院は内科、消化器内科、内視鏡内科を掲げています。内科では、せきや熱などの風邪症状をはじめとした日常的な疾患から、高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病まで幅広く対応しています。前院長の頃から通院されている患者さんもいらっしゃいますのでご高齢の方が多く、100歳を超える方もいらっしゃいます。
消化器内科では、腹痛や胃痛、胸やけ、胃もたれ、機能性胃腸症、下痢、血便など、胃腸や排便に関するお悩みで幅広い年齢層の方が来院されます。肝硬変や自己免疫性肝炎など肝臓疾患の患者さんを診ることもあります。
先生のご専門である内視鏡検査について詳しく教えてください。
当院では、患者さんの苦痛をできるだけ取り除く検査を目指しており、一人ひとりに合わせて鎮静剤と鎮痛剤を併用しながら実施しています。
上部内視鏡検査(胃カメラ)は、高性能の経口内視鏡を使用し、小さい病変も見逃さないように精度の高い検査を行っています。下部内視鏡検査(大腸カメラ)は医師の挿入技術によって体にかかる負担が大きく変わりますので、内視鏡専門医としてこれまでに培った技術と経験を活かし、患者さんができるだけ楽な状態で検査を受けられるように努めています。院内にはリカバリールーム(回復室)も完備していますので、リラックスして検査を受けていただければと思います。
また、胃がんや大腸がんを含む消化器疾患は早期発見が何よりも重要と考えていますので、医療機器についても最新鋭の内視鏡システムを揃えました。がん専門病院でも使用しているオリンパス社製の内視鏡システムと拡大機能を備えたスコープ(カメラ)を導入し、精度の高い検査や治療ができる環境を整えています。最新の内視鏡スコープは小型なので、患者さんのご負担も軽減できると思います。
内視鏡検査で異常が見つかった場合、どのような治療が受けられるのでしょうか?
検査でポリープが見つかった場合は、患者さんの同意をいただいたうえで切除を行います。大腸カメラは事前に下剤を飲んでいただく必要があり、何度も検査を受けるのは患者さんにとって負担になりますので、ポリープや早期のがんが見つかった場合はできるだけその場で取り除くことをおすすめしています。
クリニックでは難しい内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)といった手術が必要な場合でも、私が週1回出向いている沖縄協同病院と連携をとって治療したり、患者さんのご希望があればその他の適切な医療機関を速やかに紹介いたします。検査から診断、治療、フォローアップまで責任を持って対応しますので安心してご相談ください。
内視鏡検査は、どのくらいの頻度で受けるとよいのでしょうか?
患者さんの年齢などにもよりますが、早期発見のためには定期的に受けていただくのが望ましいです。特に、ピロリ菌に感染して慢性胃炎を煩っている方は胃がんのリスクがあり、大腸ポリープがあった方は大腸がんのリスクがあるので、1~2年に1回程度は内視鏡検査を受けていただくとよいと考えております。
胃がん、大腸がんは、日本人のがん罹患数、死亡数の中でも上位に入り、誰もがかかる可能性のある病気です。内視鏡による精密検査でないと診断のつかない場合も多いので、まずは一度受けていただきたいですね。そのとき、患者さんに「今後も定期的に受けてもいいな」と思っていただけるような検査の提供を目指しています。