一般内科に加え、専門性を活かした苦痛の少ない胃・大腸内視鏡検査、痔の日帰り手術も実施
どのような患者さんが多く来院されるのでしょうか？
ホームドクターとして内科から外科まで幅広く診療していますので、風邪や花粉症、高血圧・糖尿病といった生活習慣病、切り傷の手当てなど、さまざまな患者さんに来ていただいています。祖父の代からの患者さんも多く、二代、三代にわたって家族ぐるみで受診される方も多いですね。
私が医院を引き継いでからは、口コミなどによって胃や大腸をはじめとする消化器の診療や胃・大腸内視鏡検査を受ける患者さんも増えています。さらに、私が現在も平塚市民病院で毎週金曜日に肛門外来を受け持ち、痔の診療と手術を行っていることもあって、当院にも痔の患者さんが多く来院されています。
特に力を入れている診療はありますか？
外科医の中でも、特に消化器外科医のキャリアが長いので、その専門性を活かした胃と大腸の内視鏡検査と診断、内視鏡検査時のポリープ切除をはじめとした消化器診療全般に力を入れています。
また、痔の診療にも注力しており、例えば、肛門ポリープ切除や外痔核切除、痔核結紮（じかくけっさつ）術、痔ろう根治術などの比較的簡単な手術は、当院で日帰り手術が受けられるよう設備を整えています。手術時間は20〜30分程度で、術後2〜3時間ほど休憩したらお帰りいただけます。
日帰りでは難しい症例については、平塚市民病院で私の手術を受けていただくか、近隣の痔の専門病院をご紹介しています。
内視鏡検査では、どのような工夫をされているのですか？
より精度の高い診断を行うために、新しいタイプの胃・大腸内視鏡カメラを導入しています。胃・大腸ともにカメラの口径もかなり細いものを採用し、患者さんのご要望に応じて鎮静剤などを使うことで、苦痛の少ない検査を実施しています。
胃・大腸内視鏡検査は、術者によっても患者さんの負担が変わるのですが、私は、培ってきた手技を駆使しながら、患者さんの年齢や既往歴などをよく理解し、検査前・検査中・検査後にしっかりコミュニケーションを取ることで、できるだけ苦痛を感じない検査の提供に努めています。
やはり病気は早期に発見するに越したことはありません。小さなポリープの段階であれば内視鏡で切除することも可能ですし、開腹手術を避け腹腔鏡での手術を選択することもできます。そのためには、定期的な内視鏡検査がとても有用です。特に症状がなくても胃カメラは年に1回、大腸カメラは4年に1回は受けていただきたいですね。
なお、万が一、大きな病気が見つかった場合は、すぐに連携病院など専門施設をご紹介します。数多くのがん治療の経験を活かして、患者さんのご不安なお気持ちを少しでも和らげるよう検査や手術について具体的に共有させていただきますし、病院での手術を終えられたら当院に通院して、手術後の治療を受けていただくこともできます。
痔の診療についても、特長をお聞かせください。
痔の発症には、生活習慣が深く関係していますので、塗り薬や飲み薬による薬物療法や、外科手術といった治療とともに、再発予防に向けて、便通や排便習慣のコントロールのための指導にも力を入れています。症状によっては、便通が変わるだけで状態が良くなる方も多くいらっしゃいます。
また、お尻を診察されるのは恥ずかしいという患者さんが大半ですから、診察時にはカーテンで仕切ったプライベートな空間を確保するなどプライバシーには十分配慮し、受診のハードルを下げる工夫をしています。痔の自覚症状がある方は、ぜひ受診していただきたいですね。