患者のプライバシー保護を実現する診療体制を構築。予約不要の迅速検査で、受診当日に治療開始も可能
患者のプライバシーや受診に対する羞恥心について、どのような配慮がなされているのか、診療の流れを教えてください。
まず、当院には「診察券」がありません。自由診療なので、健康保険証の提示も不要です。受付で発券された受付票を持って10部屋ある完全個室の待合室でお待ちいただき、検査後は、会計待ち専用の個室に移り、精算後、お帰りいただきます。受付から会計まで、一方通行の導線にしましたので、他の患者さんと顔を合わせたり、診察内容を聞かれたりすることなく、診療が受けられます。検査内容にもよりますが、事前にインターネットでWeb問診票に記載いただければ、受付から会計まで最短5分で検査が終わることもありますので、忙しい方でも受診しやすいのではないでしょうか。
具体的にどのような検査が受けられるのでしょうか?
当院では、クラミジアや淋菌、梅毒といったよくある性感染症からHIV、B型肝炎、C型肝炎、ヘルペス、コンジローマ、子宮頸がんなどの原因とされているHPV(ヒトパピローマウイルス)など幅広い性感染症の検査に対応しています。どの性感染症の検査を受けたらいいかわからない場合は、受診前にWeb問診票を記入していただくことで、患者さんの症状や状況などを考慮したうえで適切な検査のご提案をさせていただきます。
患者さんの多くは、不安を抱えながら検査を受けに来られていると思いますので、できるだけ早く確実な検査結果をお伝えできるように、高性能のPCR検査機器を導入しているのも当院の特徴です。HIVや梅毒などの血液検査は最短で15〜20分程度、淋菌やクラミジア感染症の検査は最短90分程度で検査結果がわかります。
検査方法は、検査項目によって、血液、尿、うがい液、膣や肛門の病変ぬぐいによる検体採取などを行います。病変ぬぐいによる検体採取は、基本的には、院内の検体採取用トイレで、患者さんご自身で行っていただきますので、医師や看護師にデリケートゾーンを見られたくないという方にも安心して検査を受けていただきたいですね。
検査結果の確認や薬物治療について、オンラインでもできるそうですね。
はい。検査結果は、当院のWebサイトから確認できます。万が一、検査結果が「陽性」と出た場合は、オンライン診療も導入していますので、リモートで医師の診察を受け、郵送で薬剤を受け取って治療を始めることもできます。
受診にあたって当院は、予約も不要なので、受診したその日に検査結果を受け取り、すぐに治療を開始することができます。性感染症での受診には、勇気が必要な方も多いと思いますが、思い立ったその日のうちに検査結果がわかり、必要であれば治療が開始できます。しかも、そのすべてが匿名でできますので、患者さんにはメリットを感じていただけるのではないかと考えています。
実際、どのような患者さんが多く来院されているのでしょうか?
年齢としては、男性、女性ともに20〜30代が多いでしょうか。現状は、若い方が多いように感じていますが、40代、50代、70代の方もおられます。主訴としては、かゆみ、痛み、膿、おりもの、性器周辺のできものや違和感が多いでしょうか。クラミジアや淋菌、梅毒の検査を受ける方が、非常に多いですね。身元を知られずに検査や治療が受けられることに魅力を感じていただける方も多くおられます。
受診のきっかけとしては、症状を感じて受診される方のほうが、やや多いですが、パートナーが性感染症に罹患したなど、自覚症状はないものの、不安を感じて受診される方も少なくありません。また、低用量ピルやED治療薬、アフターピル(緊急避妊ピル)の処方も行っていますので、性感染症以外の性に関するご相談も増え始めています。