「患者にとっての幸せ」を尊重した医療の提供に尽力。誰もが安心して通える場所になり、地域の健康を守りたい
貴院では、どのような検査に対応されていますか?

当院では、日々の体調管理から病気の早期発見・フォローアップまで、幅広い検査を院内で実施しています。血液検査や心電図などの基本的な検査に加え、骨の健康状態をチェックする骨粗しょう症検査にも対応しており、特にご高齢の方の健康維持に役立てています。
腹部や血管の状態を調べる超音波(エコー)検査には、診断支援AIを搭載した機器を導入しています。これにより、画像の見落としリスクを軽減し、検査の精度と診断の質をさらに高めることが可能になりました。
また、レントゲン検査では透視台を備えており、通常のレントゲンでは見えにくい部位まで、リアルタイムに動きを確認しながら撮影することができます。たとえば、ご高齢の方の「食べ物をうまく飲み込めているか」を確認する嚥下評価では、バリウム入りのゼリーを飲んでいただき、その様子を透視レントゲンで観察することができます。この嚥下機能の検査も当院で対応しております。一人ひとりの状態に応じた適切な検査と丁寧な説明を通じて、安心して診療を受けていただけるよう努めています。
日々の診療において、先生が大切にされていることを教えてください。
患者さんはそれぞれ、置かれている生活環境や、治療に対する考え方、病気にどう向き合いたいかというお気持ちが異なります。そして、「どんな状態を目指したいのか」「どのように暮らしていきたいのか」といった、患者さんご自身にとっての“幸せ”の形も一人ひとり違います。当院では「患者さんにとっての幸せとは何か」を常に考え、それを最優先にした診療を心がけています。そのためには、まず患者さんのお気持ちをきちんと理解することが何より大切です。
私は、診察の中でじっくりお話を伺うのはもちろん、表情やしぐさ、声のトーンなど、言葉にならない部分にも注意を払いながら、患者さんの本音や背景をくみ取るよう努めています。そして、そのうえで「どんな治療がその方にとって最善か」を一緒に考え、目指すゴールを共有しながら、無理のない形で治療を進めていきます。
医療は“その人らしく生きること”を支える手段の一つ。患者さんの人生に寄り添う診療を、これからも大切にしていきたいと考えています。
診療時間外や休日は、どのように過ごされていますか?
普段は、自宅で筋力トレーニングに取り組んでいます。東日本大震災の際には、各地の病院や救命救急センターの応援に回ったのですが、そのときに腰を痛めていて、思うように動けなかった悔しさがありました。あの経験から、「いざという時にしっかり動ける体でいたい」と思い、トレーニングを始めたのがきっかけです。もう10年ほど続けていますが、おかげで腰の痛みもなくなり、風邪をひきにくくなったと感じています。
休日にはキャンプに出かけることが多く、大自然のなかで焚き火をしながらお酒を飲み、星空の下で眠る時間は、心身ともにリフレッシュできる大切なひとときです。また、この荒町は地域の祭りやイベントも活発なので、そうした地元の行事にも積極的に参加して、地域の皆さんとのつながりを深めていけたらと考えています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

当院は、特定の診療科を専門として掲げていません。それは、地域のかかりつけ医として、幅広い症状や疾患に対応し、多くの方の健康を支えていきたいという想いがあるからです。風邪や腹痛、けがなどの急性症状から、糖尿病や高血圧、パーキンソン病などの慢性疾患まで、内科・外科を問わず、できるかぎり幅広く診療を行っています。また、診察の結果、より専門的な検査や治療が必要と判断した場合には、信頼できる医療機関と連携し、適切な医療へとスムーズにつなげてまいります。
目指しているのは、荒町や近隣地域にお住まいの皆さんにとって、「具合が悪いときに行けば何とかしてくれる場所」「気になるところがあったら、まず行ってみようと思える場所」になることです。何科を受診すればいいか分からないようなときも、どうぞ気兼ねなくお越しください。
当院の英語名は「Sase Medical Home」。この名前には、“我が家”のように安心して通える場所にしたいという想いを込めています。患者さん一人ひとりに寄り添いながら、あたたかく信頼できる医療を提供し、地域の皆さんの健康を支えることで、荒町への恩返しを続けていきたいと思っています。