循環器疾患の専門診療をはじめ、幅広い内科疾患に対応。在宅での心不全緩和ケアにも力を注ぐ
現在、どのような患者さんが来院されていますか?

年齢層は10代から90代まで幅広いですが、地域柄ご高齢の方の割合が高く、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病で受診される患者さんが多いです。循環器内科では、心筋梗塞や心不全、不整脈などを発症され、大学病院で治療を終えた患者さんが継続診療で通院されています。
当院は、内科、循環器内科、糖尿病内科、呼吸器内科を掲げており、頭痛や風邪をはじめ、生活習慣病や睡眠時無呼吸症候群、循環器疾患全般、気管支喘息や肺炎などの呼吸器疾患まで、多岐にわたる内科疾患に対応しています。また、発熱・感染外来では、院内感染を防ぐため入り口から待合室、診察室まで専用のスペースを設け、咳、痰、発熱、喉の痛みなど風邪症状のある方を診療しています。クリニックに直接お越しいただくこともできますが、通常の診察とは異なるため事前にwebもしくはお電話で発熱外来のご予約いただければと思います。
先生が特に力を入れていきたい疾患や診療はありますか?
地域のかかりつけ医として、健康寿命を意識した診療が大切だと考えています。そのためには、やはり高血圧や糖尿病といった生活習慣病の管理や進行予防、心筋梗塞や心不全など心疾患を発症した後の再発防止などに重きを置いて診療しています。また、通院が難しい心不全患者さんには、訪問診療による在宅心不全緩和ケアを行っています。
在宅心不全緩和ケアとはどういった診療なのでしょうか?
緩和ケアと聞くと、終末期のがんを思い浮かべるかもしれませんが、2018年から心不全も緩和ケアの対象になりました。心不全の末期には、息苦しさや胸の痛み、体のだるさ、気分の落ち込みなどの強い症状があらわれます。緩和ケアでは、そうした心身の苦痛を和らげるだけでなく、患者さんの希望に合わせて治療を継続することで症状を抑え、QOL(生活の質)の維持と向上を目指します。
当院では、患者さんのご自宅や施設を定期的に訪問し、心不全の進行や症状悪化の予防・緩和、全身管理を行い、住み慣れた環境で穏やかに過ごしていただけるようにサポートしています。循環器専門医として培ってきた経験を活かし、ケアマネジャーや訪問看護師などとも連携をとりながら、できる限り患者さんやご家族の希望に沿った医療の提供に努めていますので、お困りのことがあればご相談ください。
貴院で受けられる検査や医療機器についても教えてください。

レントゲン、心電図、超音波(エコー)検査といった医療機器は一通り揃えていますが、糖尿病の診療に欠かせない血糖値やHbA1c値、動脈硬化の程度を評価する血管年齢検査(ABI/CAVI)も院内で実施可能です。ほかにも、睡眠時無呼吸症候群の簡易型睡眠ポリグラフ検査、肺機能を調べる呼吸機能検査(スパイログラム)などを備え、迅速な診断とスムーズな治療につなげています。
健康診断についても、定期健診をはじめ、市の特定検診、企業検診、便潜血検査による大腸がん検診、エコードッグ(自費診療)を行っています。エコードッグは、保険診療で行うエコー検査よりも時間をかけて観察することで、まだ症状にはあらわれていない異常の早期発見などに役立ちます。気になる方は気軽にお問い合わせください。