検査・診断から入院まで、地域から頼られる「よろずや」的病院医療を実践
入院病床もあるそうですが、どのような患者さんが多いのですか?
外来は、圧倒的に75歳以上のご高齢の方が多いですね。内科、外科、胃腸科、皮膚科、肛門外科、乳腺外科を標榜していますので、風邪や腹痛といったよくある症状から、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病の治療・管理、腰痛、がんなどの重篤な病気も含めて、さまざまな疾患の方が受診されています。私が病院長に就任するのと同時に開設した乳腺外科では、乳がん検診を受ける方も増えていますし、ほかに、胃や大腸の内視鏡検査や健康診断で受診される方も多くおられます。
入院については、一般病床が56床、介護療養病床が60床あり、中核病院の後方支援というのか、受け皿のようなかたちで患者さんを受け入れています。たとえば、在宅療養が困難な方や入院治療が長期におよぶ方、介護保険による入院療法を希望される方などが多いでしょうか。疾患もさまざまですが、がんや心不全、呼吸器不全など重篤な患者さんや、いわゆる終末期にあって、お看取りの方も多くおられます。
貴院の特長や力を入れている診療を教えてください。
当院は、代々この地域に密着して、住民の方々の健康維持や健康増進のためにできることに力を尽くしてきました。私は、そのような先代の意志を受け継ぎましたから、同じように「私にできることは何でもします。どんなことでも相談してほしい」というスタンスで診療にあたっています。
検査・診断を含めた初期診療、生活習慣病の治療・管理、予防接種、健康診断、がん検診も含めて患者さんのニーズに応えられるよう幅広い診療を提供できること、そして、ご高齢の患者さんも多いので、高齢者医療にも注力していることが特徴といえるでしょうか。
乳腺外科は、病院長就任と同時に新たに開設されたそうですね。
はい。乳腺外科についても、近年、乳がんの患者さんが急増している中で、私にできることは何でもやろうという考えのもと開設しました。乳がん検査に必要なマンモグラフィや超音波といった機器を揃えて、乳がんの早期発見に努めています。諸々の条件が合えば、ごく稀に手術などの治療を行うこともありますが、基本的には、診断の結果、さらに詳しい検査や専門的な治療が必要であると判断した場合には、千葉県がんセンターをはじめ、連携している中核病院をご紹介しています。
また、専門病院で急性期治療を終えた患者さんの術後管理や経過観察などは当院で対応しており、最近はそうした患者さんも増えていますね。病診連携という点では、もちろんほかの疾患についても、より精密な検査や治療が必要だと判断した場合には連携病院を紹介させていただきますし、経過観察などの受け入れにも対応しております。
そのほかですと、上部消化管(食道、胃、十二指腸)・下部消化管(大腸)の内視鏡検査やマルチスライスCT検査、腹部や心臓、頸部の超音波エコー検査、心電図、骨密度検査、スパイロメーター(肺機能検査)、血圧脈波検査など診断に必要な検査を実施しており、できるだけ早期に適切な治療に繋げられるよう体制を整えています。