更新日: 2025-12-02

基本情報

名称:
平間病院
診療科目:
内科, 消化器内科, 糖尿病内科, 内分泌内科, 呼吸器内科, 循環器内科, 内視鏡内科, 外科, 消化器外科, 脳神経外科, 整形外科, 肛門外科, 皮膚科, 泌尿器科
住所:
〒 304-0002
茨城県下妻市江2051

電話番号0296-43-5100電話
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救急医療と地域包括ケアを2本柱に、手術、入院、リハビリ、訪問診療をワンストップで提供。外来診療では消化器疾患の専門診療を軸に、感染症、慢性疾患など幅広く診療

どのような診療が受けられるのか、貴院の特長を教えてください。

 中野 正和先生の写真

下妻市は、医師の数が全国平均を大きく下回る、いわゆる医療過疎が進む地域です。そのような環境の中で、当院は市内で唯一、茨城県指定の輪番制救急二次病院として、入院や手術を要する重症患者さんの受け入れに対応しています。
先日は、副院長の中村孝先生が救急医療への長年の貢献により、総務大臣表彰を受賞しました。地域にとってなくてはならない医療機関としての役割を自覚し、強い使命感をもって救命・救急医療に取り組んでいます。

貴院は、入院設備のある病院に併設して、介護老人保健施設やグループホームがあり、訪問診療も実施されているそうですね。

介護老人保健施設「ルーエしもつま」の写真
介護老人保健施設「ルーエしもつま」

はい。救急医療と並び、当院が地域医療を支えるもう一つの大きな柱として取り組んでいるのが「地域包括ケア」です。入院設備を備えた医療機関として、地域の在宅療養支援診療所と連携し、急変時の入院治療やお看取りにも対応しています。また、併設する介護老人保健施設(老健)と訪問診療部門が連携し、在宅復帰を目指した退院支援にも力を入れています。
さらに、認知症の方が安心して生活できるよう、グループホームも併設しており、医療・介護・福祉が一体となった支援体制を構築しています。

具体的に、どのような流れで入院から在宅療養までのサポートが受けられるのか教えてください。

たとえば、手術や入院治療を終え、在宅療養へ移行される際に、中心静脈栄養や人工呼吸器の管理など、比較的医療依存度の高いケアが必要な患者さんの場合には、当院の訪問診療チームが関わります。ACP(アドバンス・ケア・プランニング=人生会議)の普及・啓発も含め、在宅復帰後も継続的にサポートを行っています。

また、退院が難しいと考えられる医療度の高い患者さんに対しては、入院時から地域連携室を中心に、社会福祉士・看護師・リハビリスタッフ・管理栄養士など多職種が連携してチームを組みます。栄養管理や嚥下機能評価に基づく嚥下訓練などを積極的に行い、在宅復帰に向けた支援を進めています。こうした多職種連携の取り組みにより、平均15日程度という比較的短期間の入院で、9割以上の患者さんがご自宅に戻られています。

入院・手術からリハビリ、退院後の訪問診療まで、ワンストップで受けられるわけですね。

はい。私たちは、病気やケガを治すことだけを目的とするのではなく、「ご自宅に戻ったあとも安心して生活を続けていただくこと」を重視しています。地域の医療・介護資源と連携しながら、当院が持つ医療・リハビリ・在宅医療機能、さらに別法人による介護サービスを組み合わせることで、手術や入院、介護が必要になっても、これまでどおりこの地域で暮らし続けられるよう包括的な支援に取り組んでいます。

外来診療についても教えてください。特に内視鏡を中心とした消化器疾患の診療に注力されているそうですね。

 中野 正和先生の写真
当院の外来診療では、発熱などの一般内科疾患から生活習慣病、消化器内視鏡診療まで、幅広い分野に対応しています。さらに、創傷処置に加え、鼠径ヘルニア、皮下腫瘍、褥瘡、痔ろうなどの手術や治療にも対応しており、地域の多様な医療ニーズにお応えできる体制を整えています。

なかでも力を入れているのが、私の専門分野である消化器疾患の診療です。私は消化器病専門医・消化器内視鏡専門医・肝臓専門医の資格を有しており、その知識と経験を生かした専門的な診療を行っています。
消化器内視鏡検査は年間1,600件を超え、専門医3名体制で実施しています。日帰りのポリープ切除をはじめ、早期がんに対する粘膜下層剥離術(ESD)、内視鏡的止血術、がんによる消化管狭窄へのステント留置術やバルーンカテーテル拡張術、胆道感染症に対する胆道ドレナージ術、胃ろう造設術など、内科的・外科的治療の両面から幅広く対応しています。

また、肝臓疾患に関しては、当院が茨城県の「肝疾患専門医療機関」に登録されていることから、ウイルス性肝炎、肝臓がん、脂肪肝などに対しても専門的な診療を行っています。

※2024年度の実績

貴院の検査体制や医療設備について教えてください。

当院では、精度の高いCTやMRI、消化器内視鏡システム、高性能の超音波画像診断装置など、精密検査を含め診断に必要な医療設備を一通り整えています。特殊な設備としては、県内でも導入施設がそれほど多くない3Dマンモグラフィと高気圧酸素治療装置を備えています。3Dマンモグラフィは乳がんの早期発見に優れた検出能力を発揮し、高気圧酸素治療装置は腸閉塞や脳梗塞、一酸化炭素中毒などに効果が期待でき、幅広い疾患で保険適用となっています。
 
手術設備についても充実しており、消化器系の手術では出血を最小限に抑える超音波メスや、患者さんへの負担が少ない腹腔鏡下手術システムを導入しています。
 
このように多様な手術・検査機器を整え、高品質な医療を提供できる体制を整えていますが、当院での対応が難しい症例については、大学病院などの高度医療機関と連携し、適切にご紹介していますので、安心して受診していただけます。