病気の早期診断と“二人三脚”の継続的なサポートで、患者の生活に寄り添った医療を提供
貴院にはどのような患者さんが来院されていますか?
当院では、内科、神経内科、呼吸器内科、消化器内科を掲げ、地域のかかりつけ医として幅広い症状や疾患に対応しています。具体的には、咳や喉の痛み、発熱といった風邪症状から、胃痛、吐き気、下痢、便秘といった消化器系の不調、さらには花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患など、多様な症状で来院されています。
なかでも多く来院されるのは、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病を抱えるご高齢の患者さんですね。そうした慢性疾患は長期的な管理が欠かせないため、定期的に通院していただきながら、継続的なフォローを行っています。
生活習慣病の診療内容について、詳しく教えてください。

生活習慣病はその名の通り、日々の生活習慣の積み重ねによって発症リスクが高まる疾患です。具体的には、偏った食生活、運動不足、睡眠の質の低下、過度な飲酒や喫煙、そして慢性的なストレスなどが主な要因とされています。
当院では、まず丁寧な診察を行い、患者さんの現在の健康状態を把握するとともに、生活習慣についてもしっかりとお話を伺います。そのうえで、改善が必要と思われるポイントを一緒に確認し、食事や運動、睡眠など、日常生活全体を見直していく方針を立てていきます。
とはいえ、長年の習慣を急に変えるのは容易なことではありません。ですから私たちは、医師として一方的に指導するのではなく、患者さんのライフスタイルに寄り添いながら、無理のないペースで改善を目指すことを大切にしています。必要に応じて資料なども用いながら、理解しやすく具体的なアドバイスを心がけています。
また、生活習慣の改善だけでは十分なコントロールが難しい場合には、適切なタイミングで薬物療法を併用します。患者さんと“二人三脚”で取り組む継続的なサポートこそが、生活習慣病治療の核だと考えています。
貴院では、神経内科の診療にも注力されていると伺いました。脳神経疾患の症状には、どのようなものがありますか?
神経内科が扱う疾患は多岐にわたり、それに伴う症状もさまざまです。代表的な症状としては、「頭が痛い」「めまいがする」「手足がしびれる」「ろれつが回らない」「手足が動かしにくい」「動作が遅くなる」「手が震える」といったものがあげられます。なかでも頭痛は、特に多くの方が経験する身近な症状のひとつですね。
頭痛には大きく分けて、「一次性頭痛」と「二次性頭痛」があります。
一次性頭痛とは、脳や体に明らかな病気がないのに起こる頭痛で、慢性頭痛とも呼ばれます。片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などが代表的です。これらは命に関わるものではないことが多い一方で、患者さんの生活の質に大きく影響を与えるため、適切な診断と治療が重要です。現在では、頭痛が起こったときにすみやかに痛みを抑える薬物治療だけでなく、頭痛が起こらないようにする効果的な予防薬も登場しています。当院でも、薬物療法と併せて、食生活や運動などの生活改善による予防治療にも注力していますので、頭痛がつらいと感じたら、ぜひ一度ご相談ください。
一方、二次性頭痛は、脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍など、脳や頭部に何らかの異常があることによって引き起こされる頭痛です。命に関わることもあり、迅速かつ適切な対応が求められます。特に、突然の激しい頭痛や、いつもと違う性質の痛みを感じた場合には、迷わず医療機関を受診していただくことが大切です。
先生が取り組まれていた脳卒中の診療についても、貴院で対応されていますか?

脳卒中の急性期治療は、主に高度な医療機器と専門チームを備えた病院で行われることが一般的です。一方で当院では、脳卒中の「予防」や「再発防止」、そして治療後の「フォローアップ」に重点を置いて診療を行っています。
脳卒中は、生活習慣病と同様に、偏った食生活、運動不足、過度な飲酒、喫煙、ストレスなど、日常の生活習慣が発症リスクを高めるとされています。そのため、予防と再発防止には、生活習慣の見直しと継続的な健康管理が欠かせません。当院では、患者さん一人ひとりの生活背景に合わせた指導やサポートを行いながら、健康的な習慣を無理なく継続できるよう支援しています。
また、脳卒中は基本的に突然起こる病気ですが、「手足の片方や顔の片側がしびれる、動かしづらい」「ろれつが回らない、言葉が出てこない」「片方の目が見えない」「立てない、フラフラする」など、脳卒中の“サイン”となる症状はあります。当院では、患者さんの診療や健康診断、患者さんとの対話などを通じて、こうした危ない兆候を見逃さない、聞き逃さないよう努めています。