風邪や腹痛、生活習慣病、認知症から乳腺、肛門、呼吸器、消化器の病気まで幅広く診療。胃・大腸内視鏡、超音波、CTによる迅速かつ的確な診断にも努める
現在、どのような患者さんが来院されていますか?

当院は「何でも診てくれる医院」として地域の方々に信頼を寄せていただいており、来院される患者さんの主訴も非常に多岐にわたります。風邪や腹痛、生活習慣病といった一般的な内科疾患をはじめ、脳梗塞や認知症のご相談、さらには胃・大腸の内視鏡検査を目的に受診される方まで、幅広い症状やニーズに対応しています。
私が入職してからは、乳腺疾患や肛門のトラブル、気管支喘息など呼吸器系の疾患も積極的に診療していますので、そういった患者さんも増えています。
年齢層としては、高齢化が進む地域ということもあり、ご高齢の方が中心ですが、乳腺診療の開始以降は、若い世代の患者さんにも多くご来院いただいています。なかには、以前私が茨城西南医療センター病院で診ていた患者さんが、遠方からわざわざ足を運んでくださることもあり、とても嬉しく思っています。
地域のホームドクターとして幅広く診療されていますが、特に力を入れている診療について教えてください。
近年、乳房の痛みやしこり、違和感を自覚して受診される方が増えている一方で、この地域には乳腺専門の医院がまだ少ないのが現状です。私は「困っている地域の方々の力になりたい」という思いで地元に戻ってきましたので、乳腺の診療には特に力を入れています。
当院では、乳腺に関する問診や超音波検査、診断までを一貫して行っており、マンモグラフィ検査が必要な場合には、近隣の提携病院と連携して対応しています。中には、遠方からわざわざ来院される方もいらっしゃいますので、少しでも不安を軽減できるよう、迅速かつ丁寧な診断を心がけています。
乳腺疾患と診断された場合、治療は貴院で受けられるのでしょうか?
良性のしこりや乳腺炎などの疾患については、当院で治療を行っています。近年では、良性のしこりは摘出せず、経過観察するのが一般的な方針ですが、ご本人が強く希望される場合には、当院で切除の処置を行うことも可能です。
一方、乳がんと診断された場合には、速やかに専門の医療機関をご紹介し、連携しながら取り組んでいますので、気になる症状がある人は、早めに受診していただきたいですね。
肛門外科も、淀縄副院長の得意な領域だそうですね。

はい。西南医療センター病院では、「痔核硬化療法(ジオン注射)」という比較的新しい治療法に取り組んでおり、現在も当院で対応しています。この方法は、脱出を伴う内痔核に対して、メスを使わずに治療できる低侵襲な手法として注目されており、体への負担が少ないのが特徴です。
そのほか、外痔核や痔瘻など、症状が重く手術が必要な場合でも、日帰りで対応可能なケースであれば当院で外科的処置を行っています。入院が必要と判断されるケースについては、近隣の医療機関をご紹介し、適切な治療へとつなげています。まずは状態をしっかりと診察したうえで、患者さん一人ひとりに合った治療方針をご提案できればと考えています。おしりの不調が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。
その他に、貴院の特長となる診療について教えてください。
当院の特長の一つは、内視鏡検査に力を入れている点です。兄は消化器病専門医・消化器内視鏡専門医、私は外科専門医・消化器外科専門医として、どちらも内視鏡検査の豊富な経験を積んでおり、胃・大腸の内視鏡検査では、患者さんの負担をできる限り軽減することを心がけています。たとえば、胃カメラでは経鼻内視鏡を使用し、大腸カメラでは、ご希望に応じて鎮静剤を使った検査にも対応しています。また、内視鏡を挿入せず、CT装置で大腸の病変を調べる「大腸CT検査」も行っており、患者さんのニーズや体調に応じて、柔軟な検査方法をご提案しています。
そのほかにも、ピロリ菌検査・除菌治療や各種予防接種、骨折・捻挫・関節痛などの整形外科的な処置、巻き爪の治療、花粉症などのアレルギー疾患にも対応しています。さらに、甲状腺に腫瘍性疾患が疑われる場合には、超音波検査やエコーガイド下穿刺吸引細胞診(FNA)を行い、必要に応じて治療にもつなげています。「たいていのことはここで診てもらえる」と思っていただけるよう、幅広い診療に対応できる体制を整え、地域のかかりつけ医としての役割を大切にしています。