子どもから中高年まで、あらゆる世代の皮膚・泌尿器疾患を幅広く診療。近隣の基幹病院と密接に連携し、通院でのがん治療もサポート
現在、どのような患者さんが多く来院されていますか?

開業するにあたって、数年前から皮膚科についても知り合いの先生のところで勉強をさせていただいたので、当院の名称通り、皮膚科と泌尿器科を標榜しました。開業当初は、周辺に皮膚科医院が少なかったこともあり、皮膚科の患者さんが7~8割、泌尿器科の患者さんが2~3割という比率でしたが、近年ではその比率が逆転し、泌尿器科の患者さんが約6割を占めるようになりました。この地域でも高齢化が進んでおり、開業当初からの患者さんも年齢を重ねられたため、泌尿器疾患が増えているのではないかと感じています。
来院される患者さんの年齢層は幅広く、お子さんの場合、アトピー性皮膚炎をはじめ、精索捻転症や包皮炎、包茎、夜尿症といった泌尿器科のトラブルで受診されることが多いですね。一方、中高年層になると、前立腺肥大や過活動膀胱、膀胱炎といった排尿障害での受診が多くなり、中には、当院での検査で前立腺がんや膀胱がんの疑いが見つかり、近隣の基幹病院を紹介させていただく患者さんもおられます。
皮膚科では、どのような診療が受けられるのかお聞かせください。
蕁麻疹や帯状疱疹、にきびも含めて、一般的な皮膚疾患全般を幅広く診療しています。治療については、例えば、アトピー性皮膚炎や体質による皮膚炎、かぶれ、水虫といった皮膚疾患は、外用薬および内服薬を基本に治療を進めていきます。
また、イボ、ほくろ、タコ、ウオノメなどに関しては、切除や液体窒素を使用した冷凍療法による除去手術を行っています。ただし、ほくろや皮膚腫瘍に悪性の兆候が疑われる場合は、速やかに近隣の基幹病院へご紹介し、専門的な検査を受けていただくようにしています。
泌尿器科の診療についても具体的に教えていただけますか。
中高年層に多く見られる尿漏れ、頻尿、多尿、尿が出づらいといった排尿障害や血尿は、さまざまな病気の症状として現れることがあります。例えば、糖尿病、膀胱炎、前立腺炎、前立腺肥大症、また神経や脳の疾患が原因となることもあるのです。そのため、治療にあたっては全身の病気の有無を確認し、残尿感や排尿の具合など、具体的な症状を丁寧に把握しながら進めていくことを心がけています。
また、最近は男性不妊の相談も多く、精液検査なども増えてきています。
男性更年期障害に対しては、ホルモン補充療法や漢方薬を用いた治療も行っており、患者さん一人ひとりに合った治療をご提案しています。
ご相談の多いお子さんの夜尿症については、投薬などそれぞれのお子さんに合った治療を行っています。ただし、中学生になって夜尿症が続くようなら、専門の病院での治療をおすすめしています。夜尿症に関しては、早期の治療が効果的ではありますが、その本質からは薬物療法で必ず止めなければいけないというものでもないと考えています。
血液検査等で異常を発見した場合は、どのような対応になりますか?

尿や血液などの検査でがんを疑うような異常な結果を確認した場合は、速やかに近隣病院をご紹介して、専門的な検査を受けていただいています。特に前立腺がんや膀胱がんといった悪性腫瘍の患者さんが増えている印象がありますので、当院でも見落としのないよう、がんの早期発見に積極的に取り組んでいます。
膀胱がんや前立腺がんなど、泌尿器がんの患者さんのアフターフォローも貴院で受けられるのでしょうか?
初期治療を終えて経過観察に入った方や、基幹病院で治療方針が決まり、通院治療を当院で希望される方を引き継ぎ、治療を行っています。富山市中心部は、比較的コンパクトに医療機能がまとまっているので、基幹病院とも連携が取りやすいですね。自宅近くでがん治療を受けたいという方々を積極的にサポートしていますので、安心してご相談いただければと思います。