病気の原因を取り除く生活指導が診療のカギ。先端医療機器による専門治療にも注力
どのような患者さんが来院されていますか?
地域的にご高齢の方が多く、小さなお子さんからご高齢の方まで幅広い年代の方にご来院いただいています。小児ではアトピー性皮膚炎がよく見られますし、全年代で湿疹の方が多いですね。ボディーソープやシャンプーの使いすぎが原因で、かゆみや炎症が生じていることが少なくありません。コロナ禍以降は手洗いの頻度が増え、手湿疹や手荒れに悩む方も目立っています。
アトピーや湿疹の場合は、薬物治療が中心になるのでしょうか?
皮膚疾患の多くは、生活習慣の中に悪化の原因が潜んでいます。たとえば、肌が弱いからといって必ずアトピーになるわけではなく、生まれ持った素因と環境要因が重なって発症するのです。そのため、検査だけでなく、患者さんの生活環境や習慣を丁寧に伺い、原因を見極めて対処することが重要です。お薬と併せて、入浴方法や薬の塗り方などもお一人おひとりに合わせてご指導しています。
特に注力している診療について教えてください。

赤あざ(血管腫)や「赤ら顔(酒さ)」の治療に力を入れています。当院では、VビームⅡ(色素レーザー)を用いて、血液中のヘモグロビンに熱エネルギーを与え、毛細血管を収縮または破壊することで赤みの改善を図ります。この機器は地域のクリニックでは導入が少なく、専門性の高い治療を身近に受けられるのは当院の大きな強みです。保険適用も可能ですので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。
ほかにも先端医療機器を導入されていますね。

VビームⅡは、血管病変だけでなく、肌のくすみやニキビ跡、小ジワなどにも効果があります。さらに、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬、円形脱毛症などの難治性疾患には、紫外線を照射して改善を図る「ナローバンドUVB照射装置」や「エキシマライト」などの光線治療機器も導入しています。
アレルギー検査では、指先から1滴の血液で41項目のアレルゲンを約30分で測定できる「ドロップスクリーン」を採用し、その日のうちに治療方針をご提案できる体制を整えています。
今後、力を入れたいと考えている分野はありますか?
足の健康は生活の質に直結するため、「フットケア」にも注力したいと考えています。たとえば爪白癬では、薬物療法に加えて爪を整えることで歩行が安定し、フレイル(加齢に伴って心身の機能が低下すること)予防にもつながります。将来的には、フットケア指導士や義肢装具士と連携し、オーダーメイドの靴づくりなども視野に入れています。